扉あければ、 (ページ6)

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◎友達以上恋人未満 / orange . ページ6

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１２月に入り寒さもよりいっそう深まった木曜日

Christmasの文字が増え、いつもより少しにぎわう街並み

関係ないはずなクリスマスも、お店の前を通ると少し羨ましくなるのもしかたない

しかし毎日仕事だという現実に引き戻され、その羨ましさも実現することはなく一瞬にして消えてく

私はそんな街を通りすぎ、いつもの場所へとむかった

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街から少し離れたある一角にある小さなレストラン

私は慣れた手つきで、ドアをひいた

ドアを開けると、中から暖房のあったかい空気とおいしそうな香りに包まれ、さっきまでの寒さも寂しさも一瞬にしてとんでく

「いらっしゃいませ」

キッチンから聞こえる優しさとあたたかみのある声

料理してる手を止めてこちらを向いたその声の主は私に気づいたのか

「なんや、Aか」

なんていって、また料理に戻った

こんなことは毎回のことで、私もいつも座るキッチンの前にあるカウンターに腰をかけた

ここは、あっくんの経営するレストラン

あっくんは幼馴染みで、小さい頃から一緒にいて今もこうやって毎週木曜日はこのレストランにきていろいろ話したりする

あっくんは何でも聞いてくれて優しくて

友達より特別な存在で、

けどそれを越えることはなかった

「この料理で最後やから」

私が来るのも閉店時間に近いってこともあって、残っているお客さんも数えられるくらいだった

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最後のお客さんをお見送りし、あっくんはぐんと背伸びをした

『お疲れ様』

「そちらこそ」

こんな会話も毎回のこと

さて、今日はなんの話をしようかなとか考えてたら、

「ご飯食べたん？」

と聞かれた

『いや、まだ食べてへん』

「なら食べてき」

なんていって、疲れてるはずなのに夕飯を作ってくれるといった

こんなことは今日に限ったことじゃないけど、やっぱりその優しさは毎回くすぐったいくて嬉しいものに変わりはない

何作るんかなと少しイスから身をのりだし覗いてたら、

「どこの子供やねん(笑)」

なんてからかわれた

『あっくんの子供ならなりたい』

って言い返したら

「あほちゃう(笑)」

なんて少し顔を赤くして、照れ隠しか料理をする音も少しはやくなって

そこからたわいもない会話続けたとき

そっと誰も来ないはずのレストランのドアがひらいた