扉あければ、 (ページ27)

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◎ ページ27

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『、！いらっしゃいませ！』

片付けをしてた人は、少し驚いてこちらを見た

そりゃ、営業時間ぎりぎりにお客さんが来るのは驚くに決まってる

申し訳ないな、とか思いつつも店内を見回すと、

「わっ、きれいっ」

ショーケースのなかには、思わず声が出てしまうくらい、きれいな金平糖がたくさん並んでいた

赤、橙、黄、緑、青、紫、桃

なんだか、

「お星さまみたい、」

思わず声に出てしまい、焦って口を抑えた

『ふふ、気付かれましたか、？』

さっきまで向こうの方で片付けをしてた人は、いつのまにかショーケースの上から乗り出してこちらを見ていた

短髪の黒髪で、清潔感に溢れていて、けどどこか懐かしい雰囲気で、

『これ、星をイメージしてるんです、(笑)』

「ほんまですか、！」

『気付かれると思わんかったから、ちょっと恥ずかしいです、(笑)』

そうやって、照れたのかへへっと笑った顔になぜかドキッとしてしまう、

そんな自分が少しおかしく思えて、すぐに金平糖のほうに目を向けた

そういえば、金平糖なんて何年ぶりだろ

好きでもないのになぜか急に食べたくなってしまって、

ひとつ買ってみようかな、

赤の金平糖は初めて見たかも、

でも緑もきれいだよな、

んー、全部かわいい

少しの間迷ってると

『あの、お姉さんってずっと東京にいはるんですか？』

急に聞かれた

少し驚いたものの、あの笑顔にはどこか安心感を感じてしまい、

「いや、ずーっと関西におって、今年から上京してきたんです」

すんなり答えると、急にその人の顔には笑顔が広がり

『やっぱそうですよね！そんな感じしてました！』

「へ、？」

もしかして同級生？とか思ったけど、こんな人はいなかった気がする

自分のことを見回してもそれが分かるようなものは何もつけてない

『いや、お姉さんが話してんのが関西弁やって、あの、実は俺もずっと関西におったんですよ』

「え、そうなんですか、」

なんだろう、TVとかのあるあるでよくみる地元が同じだと気付くと友達みたいなノリになるような、そんな気持ち

「ちなみにどこの県で、、」

『兵庫の田舎の方なんやけど、、』

「え、私も、！」

『ほんまに！？え、○○中？』

「いや、その隣の△△中」

『わかるわかる！』

どうやら家がまあまあ近かったみたいで

お互い自然とでた関西弁に、癒された