扉あければ、 (ページ21)

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◎ クッキー専門店 / blue . ページ21

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今から3日前、

家の前に不思議なお店ができた。

「クッキー専門店」

甘い香りに誘われて、

気になって気になってついに来店

「いらっしゃいませ」

店に入るなりレジには高身長イケメンがいて

癖になりそうなほどのハスキーボイスで挨拶をかましてくる

店内の女性客の甘ったるい匂いでクッキーどころじゃない気もするが、食べるつもりで来たからには後戻りはできない。

トレーとトングを持って列に並ぶ

あれ美味しそう、これ美味しいのかな

待ってる間は意外にも楽しくて色とりどりのクッキーをただひたすらに眺めた

「大変お待たせ致しました。」

「ラングドシャとストロベリークッキー、ジンジャークッキーの3種類を5つずつでよろしいでしょうか?」

悩みに悩んだ末、3種類のクッキーを5個ずつ。

「はい。」

会計の時、どうしても店員さんを
見上げる形になってしまい顔を少しばかり見つめる

見事なまでに彫りの深い綺麗な顔。

美しい、がぴったりなその店員さんはどうやら " 藤井さん " と言うらしい。

私の後ろで女子高生が
名前を連発しながらきゃっきゃきゃっきゃはしゃいでいる

「合計で2700円になります。」

最初の方はかったるそうにしていたのが、

クッキーの量を見て満足気に笑う

そんなにこの3つは自信作なのか。

「ありがとうございましたー」

いろいろ名残惜しくも店を出ると、

今更買いすぎたかなって

1人で食べるとか思われてたらどうしよう

...............いや1人で食べるんだけどね?

って何考えてんの私、藤井さんのことなんて好きなわけないのに

「.........家に紅茶あったかな」

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