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ある日いつものようにお店に行くと、いつもより神山くんが少し疲れているように見えた
『最近、忙しい?』
「嘘やん、疲れて見える?」
『ちょっとだけ、』
少し心配したが、また笑顔に戻る神山くんを見てすこし安心した
すると、お金を払っているとき、キッチンの方にまだ見たことないケーキが見えた
『もしかして、新しいケーキつくってるとか?』
「え、なんでわかったん!」
『だってあれ、、』
キッチンの方を指差すと、よう見つけたなぁって言いながら箱にケーキを詰めていた
「そやねん、新作つくってて
ある人に渡したくて」
その何気ない言葉が心に刺さったような気がした
.
家に帰っても頭をぐるぐる回るあの言葉
ある人
もしかしたら恩師にかもしれないし、家族かもしれない
けどそれがもし神山くんの好きな人なら
1週間のうちの一時間も満たない間しか会わない私にとって
神山くんのことを知ってる時間も少ないわけで
好きな人へのものだとも充分考えられる
今日買ったケーキは一旦冷蔵庫にいれ、私はそのことから逃げるかのように、お布団にくるまって寝るしかできなかった
.
その次のいつもお店に行く日
1週間ずーっと落ち込んで、昨日もお店にいくか迷っていた
けど、神山くんからの「明日も待ってます」というメールがきて、どうしても行くしかないなって
もし彼女ができたと言われたら、そのときはそのとき
ちゃんと諦めようって
重たい足でお店に向かった
「いらっしゃいませ」
いつも大好きな声だって今日はどうしても、遠く離れてしまいそうで
私の気持ちを知らない神山くんは、いつも通り接してくれる訳で、
私もできるだけいつも通り接した
「そういや、今日誕生日やんな?」
携帯をみると、ちょうど私の誕生日
いろいろあって気付かなかった
「アドレスに入ってたから」
『覚えてくれてたん?』
「当たり前やん!はい、俺からのプレゼントいれといたで」
「ありがとう、!」
「あ、今開けたあかん!けど、家かえったらすぐ開けてほしいかな」
『ん、わかった』
「じゃあ、また」
ただのお客さんでしかないわたしの誕生日を覚えてくれるなんて
そんな神山くんの優しさは、今の私にとって少しつらかった
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アめ(プロフ) - 牡丹杏。さん» そうなんですね!名字が被ってるとお話にも気分を乗せやすいですよね笑 (2018年9月27日 21時) (レス) id: 9a27934d59 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹杏。(プロフ) - 加賀美って苗字、名前と被りましたww (2018年9月27日 19時) (レス) id: 48235b53b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アめ x他1人 | 作成日時:2018年9月27日 19時