扉あければ 、

◎ ページ17

＿






『なんか素敵ですね』




「ほんとですか！ありがとうございます！」





ふにゃっと嬉しそうに笑う顔は、羨ましいくらい輝いて見えた




.





ひとつ買ってかえろうと思ったけど、あまりお花に知識がない私はどれにしようか迷っていた






『あの、おすすめってありますか、？』




「そうですね、、これなんてどうですか？」






指差したケーキをみると




" ヒペリカム "



レモン？かな、黄色のケーキ





『これにします、！』



「ありがとうございます」







丁寧に箱につめてもらい、お金を払い終えると、出口までわざわざ持ってきてくれた







『あの、、また来ます、！』



急に何言ってんのか自分でもわけがわからない


けど、もう一度あのふにゃっとした笑顔が見たいって思う自分がいた








「はい、待ってます！」









お店を出る頃にはさっきまでの落ち込みなんて消えてた









.







家に帰り、ご飯を食べたあと、ケーキを食べることにした




箱を開けると、さっき買ったケーキがちょこんと置いてあった


ひとつでもきれいで、宝石みたい







お皿にだし、一口、口のなかにいれると



ふわっと広がるスポンジの甘さと少し酸味のきいたソース




疲れたからだのすみまで広がるかのよう




あまりの美味しさに驚き、一口、また一口、丁寧に食べた






そういえば、これって花言葉なんだろ、



バックから携帯をとりだし、検索してみた









" ヒペリカム "









あの笑顔を思い出した

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