code:82 ページ33
それでも私は片付ける仕事が残ってる
病院の奥の奥の奥の方にある静かな休憩室はかなり穴場で
ここに来るたびによくこの休憩室で蘭たんと時間を潰す
「……申し訳ない、尾行なんかして」
前に蘭たんが来た時に残した落書きを見ていると
男は小さく声を出す
私は返事ができなかった
「…うみ、キミが訪ねてきたときビックリしたよ。あまりにも…あまりにも……お母さんにそっくりだったから」
返事が出来なくても体が動く
ピクリと反応してしまった
私は本当の母親の顔を知らない
あの女に写真は全て捨てられた
顔は見たことがないけれど
お母さんなんだ、私、似てるんだ
「家に来る途中の海は見たかい？うみのお母さんは海がとても好きでね…娘だろうと息子だろうと名前は“うみ”にするって言っていたよ」
知らない
私は何も知らない
本当の家族のことを何も知らない
誰を信じていいのか分からない
「私は」
必死に声を絞り出して、伝えたい
「うみはもう死んだ…から。私はAで、家族はいない、あの3人が家族だから、あなたは父親じゃ、ないから」
力を抜くと涙が溢れそうで
別に悲しいから泣くわけじゃない
どうすればいいのか分からなくてただひたすら混乱して
その涙だから
流さない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
温田(プロフ) - くるみさん» くるみさん……！最後まで見ていただきありがとうございます(；；)至らない点ばかりでしたがそう言ってもらえるのは励みになります！！次の作品もよろしくお願いします（大宣伝） (2023年3月19日 7時) (
レス) id: 252a43b257 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！そしてここまでお疲れ様でした！本当に面白くて展開にとてもワクワクしていました！温田さんの物語の書き方がとても好きですこれからも応援しています！！ (2023年3月19日 1時) (レス) @page45 id: 4d19a31029 (このIDを非表示/違反報告)
温田(プロフ) - くるみさん» うわーーーーーん！！くるみさんありがとうございます！！！(；＿；)そろそろ物語も終わりとなりますが、どうぞ最後までよろしくお願いします(；＿；)温田がんばります(っ;ﾍ;c)ｶﾞﾝﾊﾞﾙ (2023年3月16日 1時) (レス) id: 252a43b257 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 久しぶりにこんなに物語に惹かれる小説を読みました！更新とても楽しみにしております温田さんのペースで無理せず頑張ってください…！ (2023年3月15日 1時) (レス) id: 4d19a31029 (このIDを非表示/違反報告)
温田(プロフ) - あさん» あらま！ありがとうございますソッコウはずしました…！ (2023年3月11日 12時) (レス) id: 252a43b257 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：温田 | 作成日時：2023年3月7日 11時
