【na･po･li】ナポリの始末屋たち (ページ46)

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「A大丈夫？」

家のリビングのソファ

何も考えられず1人でただ座っていた

近付いてきたshu3がそっと私の肩を抱いて引き寄せた

「…死は見慣れてるはずなのに、突然すぎて」

「そうだよね。ごめん1人にさせて」

shu3の肩に頭を預けて
なだめるかのように優しく触れるshu3の手の温かさを感じる

「もう少しで色々聞けそうだったのにな」

なんであのタイミングで
なんで良いところで

「…俺らはさ、毒物に体慣らせてるでしょ」

「そうだね」

「だから五條浜と同じ紅茶を飲んでもAは平気だったんだろうってhacchiさんが」

いつ何があるかわからないから、と

hacchiが作った毒性のものを定期的に摂取させられている私は
五條浜と同じコップで同じ紅茶を飲んでも気付かなかった

ましてや五條浜と同じ量の角砂糖で甘ったるくされてしまっては
毒薬の苦味すら疎くなる

「俺たちの計画に無かったから、俺たちじゃないのは確かだし外部だろうな」

「hacchiしか毒薬持ち歩かないしね」

「ずっと俺一緒にいたし」

それでもあの短時間で五條浜を死に追いやった毒薬だ

慣らしているはずの私でも今かなり体調が悪い

五條浜の最期はかなり苦しかったはずだ

「しゆうみについては蘭たんとすぎるさんが調べてる。コップと紅茶…液体の検査はhacchiさんが。Aには俺がいるから安心して今日は眠って」

そういえば随分疲れている
shu3の香りと温もりに包まれて
一気に眠気がやってきた

ほぼ寝かけた頃、体が宙に浮く感覚

「俺たちが絶対守るから」

その言葉と同時に、おでこに何かがぶつかった

心地良い

あたたかい

優しさ