【na･po･li】ナポリの始末屋たち (ページ45)

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『…憶測だけれど、』

五條浜がゆっくりと話し始める
角砂糖の溶けた紅茶を1口飲みこんで

次の言葉を待っていた

なのに

五條浜の口から出てきたのは言葉ではなく、血だった

ゴホゴホと苦しそうな音とともに

「五條浜さん！！！」

急いで五條浜の元へ駆け寄り
扉の前にいた4人が私の大声と落とされたコップの割れる音に気付いて部屋に入ってくる

「どうしよう、五條浜さん！！！！」

苦しそうな表情で
絞り出すように

『あいつだ…あいつ…が…俺を…ｺﾞﾎｯ…気をつけろ……しゆ、うみ、あいつ、が、』

途切れ途切れの言葉しか出てこない

「何が起きてるんや！」

「わかんない…！突然！！！」

五條浜の呼吸がどんどん細くなっていく

「しゆうみ？あいつ？」

冷静に近付いて聞き返す蘭たんに

『ら…蘭川、くん、し、しゆうみ…には、気をつけ、ろ、パソコンに、ある、全てだ、すべ、て』

突然
電池の切れた人形のように

私たちの腕の中で力が抜けた

五條浜はもう、戻らない