【na･po･li】ナポリの始末屋たち (ページ44)

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いつもは威厳に包まれたオーラで
嫌な奴みたいな見た目の五條浜がやけに小さく見えた

『だからもし子供がいたら同じくらいの世代だろうなって思って、君たちくらいの子はつい贔屓してしまってね、でも人との接し方が分からず嫌われてしまうみたいで』

「そんな…私は嫌いなんかじゃ…」

少なくとも今は
嫌いじゃない

殺す相手なのに

『昔仲良くしていた友人がいてね、息子が蘭川くんと同じくらいだったかな。生きていれば』

心臓がドクンと跳ねる

『名前は何だったかなぁ…たしか…』

五條浜の口から出てきた名前

お兄ちゃん

頭がグラグラする

『父親は仕事となるととても賢くてね、父に似てかなり優れた息子だった記憶があるよ。何となく蘭川くんが被るようで』

「ちなみに、ちなみにそのご家族は」

『…10年ほど前にね、家族で出かける途中で』

言葉を詰まらせた

「どうして…そんなことが…」

聞きたい

続きが聞きたい