【na･po･li】ナポリの始末屋たち (ページ38)

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別の方法はたくさん考えた

でもびっくりするほど頭が回らなくって
わけわからない事ばかり考えてしまって

「お願いがあるんだ」

彼の誕生日の前日
電話がかかってきた

いつも落ち合う近くの河川敷に行くと
真っ暗な中でタバコを吸うあいつがいて

「よっ」

と手を上げた

「お願いって何？妹のこと？」

「ちげーよ」

何となく分かってた
俺も考えたことだったから
でも聞きたくなかった

「俺らの事、お前が殺してくんね？」

聞きたくなかった

「俺上手くできる自信がなくてよ、つい手が震えるんだよ、死ぬって考えると」

「いいだろ別に死ななくても」

「ダメじゃん？悪いことしてるんだから」

馬鹿だ

本当に馬鹿だ

俺もお前も馬鹿だ

「知らねぇ奴に殺されたり自分で死ぬくらいなら親友に殺されてぇだろ」

ギャハハと笑う
いつもの下品な笑い方なのに、どこか切ない

「嫌だよ親友を殺すなんて」

「…お願い…お願いします」

強がりな男なのに、初めて見る弱さ

最初で最後の涙