【na･po･li】ナポリの始末屋たち (ページ37)

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「親父もお袋も、いつか殺されると思うんだよな。こんな事やってるし」

「冗談だろさすがに」

「冗談だったらいいんだけどよ、妹の事を引き払うとか聞いちまってどうすれば良いのか分かんなくてさ」

その時の俺には引き払うの意味が分からなかった

否、分かりたくなかった

その時既にすぎる達と組んでたから
裏の世界は見てたつもりだけれど、身近な存在でそんな事が起きるはずがないと何となくそう思っていた

「だからさー、俺が先に親父たち殺しちまおうと思うんだよね」

「……は？」

「もし俺も死んだら妹のこと頼むよ」

小さな袋の口を開き
サラサラと少しずつ、風に飛ばしていく姿を
何も言えずただじっと見ていた

「来月の俺の誕生日、妹だけ別の家に置いてどっかの会合か何かに俺連れてかれるみたいで。その時に心中でもしようかなって」

「ちょっとマジで言ってることわかんねぇ」

「はー？！俺は知ってんだぞお前が悪い奴らを裏で消してるって！」

「なっ…んで知って…」

妙に覚えてる

悲しそうに笑うあいつの姿を