【na･po･li】ナポリの始末屋たち (ページ36)

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そんな、何だかんだ良い兄貴の面を持っているのに
学校ではとんでもない暴君だった

気の弱い同級生を虐めたり
女の子を取っかえ引っ変えしたり
先生をいびったり

校舎の裏でタバコを吸っているところだって見た

それでも俺が友達でいた理由は
それまでの彼を知っているからだった

ずいぶん真面目で、面白く、頭の回る男だった
根が優しいところは妹への対応を見ていればよくわかる

「おい、聞けよ、親父の事業が裏取引するんだとよ」

こんな事をスルッと俺に言ってしまうほどには素直

「う、裏取引？」

「すげーだろ、かっぱらってきた」

ポケットの中から出て来たのは見慣れない粉のはいった小さな袋

「いや…あぶねぇってこれさすがに…」

「塩みたいなもんだろ？」

ギャハハと笑う

「やー、ぶっちゃけさ、親父の会社ちょっと危ないことに手突っ込んでるみたいなんだわ」

ひと通り笑い終えると
至って真面目に話し始めた