【na･po･li】ナポリの始末屋たち (ページ35)

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あれは俺が高校生だった時

「よっ、おはよう」

Aの兄貴は毎朝学校につくなり毎日俺に声を掛けてきた

「お前不良の割に遅刻しねぇよな〜」

なんて言うと

「妹の学校まで送り届けなきゃいけねーのよ」

なんて笑っていた

「ほら、俺の妹さ、母親ちげーじゃん？でも俺にはかわいーわけよ。父ちゃんと母ちゃんと違って可愛がってんのよ」

聞いた事がある

Aの母親はもういない
俺は元々愛人であった現本妻の息子だと

父親の本妻の娘であるAはやっとの思いで授かった不妊の末の娘

父親の愛人の息子であるAの兄貴

本妻よりも長く続いている愛人の関係と、跡取りに出来る息子の存在は大きかった

長い不妊治療により疲弊した本妻は気を病んで、
Aを出産後はAを遺して身を投げた

Aの母親は政略結婚だった為、旦那からの扱いは散々なものだった

跡継ぎにならないAは煙たがられていたと

「俺的にはすげーかわいい妹なんだけど」

何回かこいつの妹に会ったことはあるけど、俺的にも可愛い女の子だと思った

けれど、その子はどこか虚ろで儚い雰囲気を持っていて