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「A、入っていい?」
私の部屋をノックするのは
「…shu3」
「Aがコピーしたデータ、見た」
ベッドで横になっていた体を起こすと
shu3がベッドに腰掛ける
ギシッと音がなり、
ベッドの端が沈むのを感じる
「まさかあんなのがあるとは俺達も思わなかった」
「…私も」
「混乱するよね」
それはそれは優しく
まるで子供をあやすかのように
shu3は私の頭を撫でる
「ごめん、みんなの事うたがったりして」
「正直ショックダッター」
わざとらしく演技をするshu3にフフっと笑いが漏れる
こんな優しい人を疑うだなんて
「初めて会った時Aって何才だったっけ」
「…ちょうど10年前かな。9歳の頃」
「うわっ、そっか、まだ19だ」
ウワーオレタチモトシトッタナー
と天井を見つめるshu3
みんなと10歳以上離れてるんだっけ
「20歳の誕生日、何食べたいか考えといて。あと何欲しいかも」
「まだ先だよ」
「ゆっくり考えられるでしょ」
お腹すいたらリビングおいでね
それだけ言い残して部屋をでたshu3
でもごめんね
わたし覚えてるんだ
お兄ちゃんが昔気に入ってつけていたネックレス
10年前の12月26日
血に塗れたお兄ちゃんのネックレスを持った人が両親と兄の帰りを待つ私に近づいて
「誕プレがこれとはね」
そう言ったこと
「文句言わないの」
背の高い人がそう言ったこと
「何やこの家汚ったないな」
関西弁の男がいたこと
「みんな早くしてください」
そう言った男がshu3と呼ばれたこと
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作者名:温田 | 作成日時:2022年7月3日 18時