code:23 ページ24
《ちょ、A？聞いてる？》
焦ったようなhacchiの声
「あともう少しだから、ギリギリまで続ける」
《あかんて、shu3、とめて》
《鍵、かけてる、Aが扉に鍵かけてる！》
shu3が開けようと扉をガタガタ揺らしているのが見える
「あぁもう！うるさいなshu3！」
こんな騒音じゃ考え事もできやしない
ロックはなんだ
五條浜の誕生日？愛犬の誕生日？奥さんの誕生日？結婚記念日？会社の創立記念日？
ちがう
これじゃない
《A！もうタイムアウト！五條浜の車がすぐそこ！》
hacchiの切羽詰まった声
そんな近くなのかその車は
もしかして肉眼でナンバープレートまで見える距離なのか
もしかして
「hacchi、ナンバープレート見える？」
《え？！見えるけど？！何の因果関係？！》
「ナンバー教えて」
《は？！ナンバー？！》
「いいから教えて！」
《なんだよもう！わかったよ！ナンバーは…》
「開いた…」
そんな事があるものかと
開いたファイルに目を疑った
「なに、これ……」
《A！五條浜もうそっち行ったから全部戻せ！》
すぎるの声に引き戻された
急いでデータをうつしメモリースティックをポケットにしまう
何も無かったかのように
扉の鍵を開け
部屋を片付けているふりをする
何も無かったかのように
30秒後
五條浜は部屋に入ってきた
「お帰りなさいませ」
今ここにいる男は
さっき開いたファイルの中で笑っていた
私の父と並んで
私の母と並んで
私の家族が死んだ日の記事のスキャンと
私の両親の名前が載ったリストには
両親の名前の横に×がついていた
両親が死んだ日の日付とともに
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：温田 | 作成日時：2022年7月3日 18時
