【na･po･li】ナポリの始末屋たち (ページ19)

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「で、変態ジジイの何を調べればいいんやっけ」

「この変態ジジイの会社、数年前に株が暴落したのね」

みんなが変態ジジイって言うから本当の名前を忘れた

変なあだ名で真剣に喋るギャップ

「あ、なんかそのニュース見たかも」

「うんちっさいけどニュースなってた。株が暴落してから多額の借金があったはずなんだけど、その2年後はその借金が綺麗に無くなってるの」

「ふーん、普通に返したんとちゃうくて？」

「どうやら、裏で何かと繋がってる説が濃厚らしい」

今回は久々に重い内容かもしれない

この場合、人身売買とか闇取引とかが絡んでる場合が多い

会社のお金を横領したレベルなら可愛いもんだけど

「1番濃厚なのは情報取引」

「ｳﾜｰ！形がないとやりにくいじゃないですかー！」

例えば、この会社の顧客情報リストがあったとする
名前と住所と電話番号とメールアドレスをまとめて裏に渡せばかなりの額になってかえってくる

取引先や他の会社の情報も同様

「ええか、Aの名はこれから須志原。スシハラやで。寿司ハラスメントとちゃうからな」

いつも使うこの偽名
すぎるの“す”
shu3の“し”
hacchiの“は”
蘭たんの“ら”
からとった何とも言えない偽名

すぎるは杉山
shu3は三村
hacchiは蜂谷
蘭たんは蘭川
みんなネームから1文字とって作ったかっこいい偽名

「そう言えばねぇhacchi、変態ジジイの苗字はなんだっけ」

つい不貞腐れながら聞いてみると

「五條浜」

「ご、ごじょ、ごじょ」

「ご、じょ、う、は、ま！」

想像してなかった余りにもかっこいい苗字に
私たちはみんな笑った

だってあまりにも顔と苗字が一致しないから

申し訳ないけれど、笑ってはいけないと思えば思うほど面白くなった