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#40 ページ36

「恋敵に勝ちたいなら妥協は必要ないやん。宇野ちゃんがメンバーを特権だって言うなら、佐野さんの幼馴染だって同じやろ?ほら、宇野ちゃんは全然悪くないやん。」






やろ?と笑う真司郎のせいで堪えてた涙が頬を伝う。






末っ子で甘えんぼうのくせに、人のことをよく見ていて励ますのが得意。




今だって、私の悩みを救いに変えてくれた。






「ええー、泣くとこなん?けどまあ、よくここまで一人で抱え込んだわ。偉い偉い。俺やったら自分に花丸あげるで。」






言った途端、あ、と言って店先によく置いてあるアンケート用紙とペンを手に取った。






真司郎はそのアンケート用紙の裏に大きく花丸を書いた。





「真司郎、花丸ヘタだね」





泣いていたはずなのに、苦笑いと共にそう言う。





絵が壊滅的にだめな真司郎はやっぱり花丸すらもどこか違くて。







「しょうがないやん!俺が絵描けへんこと知ってるやろ!けどまあ、宇野ちゃん笑ってくれるなら下手でもたくさん書くけど。」







照れながらそう言う真司郎に今度は大笑いしてしまう。






こんなことするのは柄じゃないのにとか思ってるんだろうなあ。






どんなプライベートな事でもこんな真剣に相談に乗ってくれるメンバーで良かった。





「真司郎、ありがとね」






真司郎のおかげで渇いた涙の後は、精一杯の笑顔を咲かせる。






「言っとくけど、宇野ちゃんだからやで。他の人やったらこんな世話焼かんもん。」







思ってもみなかった言葉に笑顔のまま固まる。








「あ、ちゃうえっと、ほら俺も鈍感な人に片思い中やから。仲間意識みたいなもんやな。」






「そう、なんだ。あ!真司郎の相談私も乗るからね?相談してね?」






いっぱい頼るわ〜みたいなノリで返ってくるのかと思ったら、目の前の真司郎は意外にも目をぱちくりさせていた。






あれ?と思った瞬間、大笑いし始めた。






「ほんま面白いなぁ。まだ愚痴あるんやろ?たくさん聞くからとりあえず、何か食べへん?」






「食べる!結構お腹空いてたんだよね」





Aちゃん、私負けないからね。






正々堂々勝負しよう。






そう心に誓った。





真司郎のおかげでそう誓えた。






「ほーんと、鈍感やなぁ。」






なんて、真司郎の呟きは知らずに。

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ちさき(プロフ) - かたつむりんさん» ご指摘ありがとうございます! (2017年10月19日 19時) (レス) id: 6dce23e467 (このIDを非表示/違反報告)
ちさき(プロフ) - ドリーさん» ご指摘ありがとうございます! (2017年10月19日 19時) (レス) id: 6dce23e467 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむりん(プロフ) - オリジナルフラグ外してくださいね! (2017年10月19日 19時) (レス) id: f35d15b5f6 (このIDを非表示/違反報告)
ドリー(プロフ) - オリジナルフラグを外して下さい!運営によって削除される可能性があります! (2017年10月19日 17時) (レス) id: 5e3261a1cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちさき | 作成日時:2017年10月18日 18時

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