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慎 「よっ。」

「うん。」



















あった瞬間わかった。
お父さんから聞いたんだと。



















家の近くまで来てもらって慎は車の中で待ってもらってたんだけど、
暗い車の中でも目が腫れてるのがわかる。



















慎 「…泣いた?」

「…っ、慎も泣いたでしょ。」

慎 「そりゃ、ね…笑」



















泣きそうな顔をしながら無理やり笑ってた。



















慎 「父さんが泣いてたんだ。」

「うん。」

慎 「普段無口で表情変えない父さんがさ、泣きながら謝ってきたんだ。」

「お母さんも泣いてた。私、お母さんに怒鳴っちゃった…」

慎 「まぁ、そうなるよね。受け入れるわけがない。」



















お母さんとお父さんが悩んでたのは伝わってきた。
でもそれ以上に当事者である私たちは受け入れられない。



















慎 「…あのさ、」

「やだ、」

慎 「沙耶、」

「やだよ、慎が言いたいことわかるもん。聞きたくない。」



















何を言おうとしてるのかはすぐにわかった。


















こんなに泣きじゃくるのは子供みたい。
そうわかっていてもその言葉を聞きたくなかった。

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作者名:ちなつ | 作成日時:2022年1月5日 0時

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