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帰って直ぐにキャリーケースを引っ張り出した。
必要最低限の荷物を詰めた。
慎にもらったものはそのままにした。
記念日の時に貰ったピアスと誕生日に貰ったネックレスは持っていかせてもらおう…
荷物を詰め終わって部屋を見渡した。
想い出が沢山詰まったこの家。
悩むことが多かったなあ。
でも後悔はない。
元々慎が一人暮らししてたところに私が引っ越してきた。
シンプルで男の人って感じの部屋だったけど
一緒に住み始めてから私が好きな雰囲気に合わせてくれた。
このカーテンも、このソファも。
「っ、泣いたらダメっ、」
"慎 「1人にしないから」"
私を救ってくれた慎の言葉。
初めて電話した時に言ってくれたよね。
あれ実は嬉しかったんだ。
慎を思う気持ちはあの夜と変わらないのに
何が変わってしまったんだろう。
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作者名：沙耶
| 作成日時：2021年9月6日 21時
