第１話『フランダースの娘』 - �� ページ22
ミコト『睡眠薬だって、目が覚めてしまうときはあるんだよ』
遠い日のミコトの言葉が、Aの脳裏をよぎる。
A「目が覚めたシズカちゃんは、今まで暮らしていた部屋に何もないことに気がついた。使っていた家具やご飯の残りもの、そして、愛する人の姿さえも」
毛利「……静佳にとって、沢口は世界のすべてだった」
先程のAの言葉を、毛利はうつろな目で繰り返す。
A「ええ。彼女は絶望した、いつもそばにいてくれた人がいない世界に。
だから彼女は……いいえ彼女も、自分自身でこの世界に終止符を打った」
毛利「自分自身で？」
A「はい。彼女は、自 殺です」
毛利「自 殺！？」
A「あ、今ちょっといつもの毛利さん節が出ましたね」
毛利「いや今それいいから……」
A「ちょっとミコト姉がうつった？笑」
毛利「もういいから！ え、自 殺？ ……自 殺？」
A「自力で脚の拘束を解き、椅子ごと立ち上がり、火事場の馬鹿力と精神力で壁にぶつかっていった。手首を縛られた状態では電気コードによる窒息もできないので、彼女に残された最後の手段だったんですね」
毛利「自 殺………」
A「……確固たる証拠は何もありません。すべてわたしの勝手な憶測です」
毛利は黙ってAを見つめた。
A「沢口さんの方は、一刻も早く警察に行こうと焦って山中を降りていた途中足を滑らせた転落死。その通りだと思います。……ある意味、偶然の女神が彼を突き落としたのかもしれないけれど」
毛利「偶然の女神？」
A「だって結果、幸せだったふたりは同時に住処をこの世からあの世へ移した。そう思えませんか？」
毛利「……あの世で、もう一度、最初から？」
A「わたしはそう思いますよ」
Aが太陽の光を追うように空を見上げる。毛利もつられて、明るく照らされる雲を見上げた。
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理音(プロフ) - 更新して欲しいです！！待ってます！！ (9月18日 15時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 更新されないんでしょうか？ (2018年3月17日 3時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
atori(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます！書いてアップしたあと読み返して、ストーリー構成の粗さに自己嫌悪するばかりでございます……それでも、楽しんで頂けているなら本当に嬉しいです。応援ありがとうございます！頑張りますのでこれからもどうぞよろしくお願い致します！ (2018年2月21日 19時) (レス) id: ed335d1376 (このIDを非表示/違反報告)
りな - オリジナルストーリーとても面白いです！！続きが待ち遠しいです！！更新頑張ってくださいね！応援しております！！ (2018年2月21日 13時) (レス) id: 8a0990f49a (このIDを非表示/違反報告)
atori(プロフ) - 通りすがりの女ですさん» コメントありがとうございます！応援頂けてなによりです。これから頑張って面白くしていこうと思っているので、どうぞよろしくお願いします。 (2018年2月19日 15時) (レス) id: ed335d1376 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：atori | 作成日時：2018年2月19日 3時
