ここは普通の定食屋さんです

蘭ちゃん、おかわり ページ11

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｢どうしても(人2)ちゃんのがいい。｣



『えぇ〜…』




なぜこの状況かって？
10分ほど遡ろう。




ワーワー喚く九井を三途に押付けて、仕事を抜け出し
あることをお願いするために1人で来てみた。

ちなみに先週から今日までここには4回は来ている
少しだけ体重が増えた気がするが無視して
竜胆も運動量増やさねーと、って言ってたっけ



｢こんにちは、(人2)ちゃん。｣



まだ太陽の光で明るい店の中で
そういって彼女の頬に手を当て目線をあわせる
先週初めましてだった(人2)ちゃん。



『こんにちは！にしてもはやいですね？！まだ準備中でたいしたものは…』


俺の手の中からするりと抜け出し
準備中にもなにか用意してくれようとする彼女は
何かあったかなあと冷蔵庫を眺めている
なんだろう、優しすぎて本当に儲かってんのか？と心配になる



｢あ、いいのいいの。今日はちょっとお願いしに来ただけだから｣



『お願い？』



｢そ、お願い。聞いてくれる？｣



『お願いにもよりますが、、なんでしょう…？』


1歩1歩近付くと
大鍋の蓋をバリアと言わんばかりにこちらに向けてくる
スッともう片方の腕からなぞるように手を握り
少し屈んでお弁当作って？、と
すると彼女はキョトンとした顔で


『え、お弁当？』



｢そ、お弁当。｣



そう、今日はお弁当を作ってもらうための交渉をしにきた
理由は竜胆が昼飯にも(人2)ちゃんの手作り食いてー！
と言ってたから。
俺も同意だし、珍しく自ら動いてみている。



『び、びっくりした…何かと思った…』



｢あれ、(人2)ちゃん顔真っ赤。かわい｣



鍋の蓋を置き再びこちらを見上げる(人2)ちゃん。



『いや、そりゃこの距離でこんな…』



｢こんな？イケメン？｣



『…少し離れてください、恥ずかしくて仕方ない』



｢照れてる？かわい〜｣



『心臓に悪いです、蘭さん…』

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