今宵は月が赤いですね。霞ノ章

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『でも約束は約束ですよねぇ？』


「そうだね」


『じゃ、もらってくれますか！？』


「継子として、ね。変な言い方しない」


『ちゃんと言って下さい、実感ないです』


「めんどくさ…」




刀を避けるために体を低くしすぎてバランスを崩しかけた私。
むいくんのガッシリした腕に間一髪で支えられ、立たせてもらった。




「正式に、僕の継子にしてあげるよ」




ぐいっと引き寄せられ、顔が近づく。
頬をつまみながら、ニヤリと笑ったむいくん。




「やるからには覚悟しなよ」


『はいっ！』




むいくんの鬼畜さは紙面から読み取れてましたから今さらです、大丈夫、多分。

あの柱稽古をイメージして鍛錬してた時期もあったし。




「そうと決まればAの荷を纏めなくてはな！」


『あっ、そうですね。急いでやってきます！』




木刀を振りやすくする為に結んでいた着物の袖を解き、急いで私の部屋に向かった。


別に私の荷物大してないけどな。
ほぼホームレス生活送ってきたし。






「時透少年、少しばかり変わったな！」


「…そうですかね」


「あぁ！Aと共にいる時に限るが！！」




煉獄の兄貴がすごく嬉しそうにしていた事、
むいくんが満更でもなさげだった事を、私は知らない。

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