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◇◆◇




『ど、どうしたんですか?らしくないですよ』




平隊士が柱に頭を下げさせている。
端から見たら普通にそう誤解される状況だ。

それに謝られるようなことをされた覚えもないし、逆に私の方が何かしてる気がするのに。




「君を理解できずに、あの時俺は……」


『あぁ、気にしてないですよ〜!』




任務前日、私は兄貴に計画を伝えた。
猗窩座と戦わない、逃がすことも含めて全部。


もちろん怒られた。怒鳴られた。
挙げ句の果てには思いっきり殴られた。

目の前で彼に似合わない罵声を浴びせられ、
正直ものすごく怖かったけど、泣かなかった。


だって当たり前のことだから。




「君が本気だと分からなかった。女子の顔を傷つけてしまい、本当に申し訳ない」


『全然です。気にしてないし忘れて下さいね』




むしろその反応こそ柱の鏡だと思う。
あの時むいくんにもどれだけ怒られたか。




『帰りましょう。兄貴の家に』


「…あぁ」




槇寿郎さんや千寿郎くんのいる煉獄邸へ。
貴方の思いを、貴方の口から伝える為に。




「時透少年も、一緒に来ないか?」


「…別に、どちらでも」


「なら来なさい!弟の料理は美味いからな!」




疲れた私は兄貴が背負ってくれた。

代々受け継がれる炎柱の羽織も、
今は私の背中にのって私を包んでくれている。



『疲れたなぁ』



「…ねぇ、君さ」




黙って横を歩いてたむいくんが呟いた。
拳を握りしめ、下を向いて。

何を話されるのかと身構えたけど、
それに続く言葉はなかなか発されない。




「どうした、時透少年」




そっぽを向いて口を開かないむいくんに、
兄貴が優しく問いかける。


むいくんがこっちを向いた。
目が少し赤くなってて、拗ねたような顔。
キッと私を睨んで、まくし立ててきた。




「無茶なんだよ、見ててハラハラする。

もっと自分も大事にしてよ、
僕達ばっかり気にして自分は2の次でさ。
下手したら死ぬかもなのに1人で突っ込んで。

鬼殺隊なら殉死なんて当たり前なのに、
君がすると思うと辛くてたまらない。

何なの君。
僕も分からない、自分の気持ちなのに。
君を見てたら自分がおかしくなりそう……」





泣いていた。

ブカブカの袖で顔を隠していたけれど、
頬を伝う涙が見えてしまった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 市販書き(二次創作)   
作品ジャンル:アニメ
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さつむいこん(プロフ) - 楪日織さん» もう26位まで落ちてるわ…、見たかったな。忙しいのにわざわざ報告ありがとう〜! (2021年7月1日 21時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - 鬼滅タグランキング今1位だよすごい……!おめでとうさつむいこん!! (2021年7月1日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - ハイキュー!!さん» 私にとってはハイキュー!!さんが優しすぎて尊いです。ありがとうございます! (2021年6月15日 22時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー!! - 尊さの塊ですね! (2021年6月15日 19時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - さつむいこんさん» こちらこそ!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年5月28日 16時) (レス) id: d652f69505 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さつむいこん | 作成日時:2021年2月7日 8時

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