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「そうだ、お前も鬼になれ!
そこの女も鬼になれば戦える!高め合おうではないか、俺と共に!!」
つくづく猗窩座は異常だなぁって思う。
悪い意味ではないといえば嘘になるけど、
でも他の意味でも、普通とは違うの。
『私は鬼にはならない、絶対に。ここにいる皆そう。鬼になるくらいなら死ねるんだよ』
仮にも女子が相手だからなのか、
無理に私を振り払おうとはしないむいくん。
そこに甘えた私は、
彼の刀をなんとか奪い取った。
「…何するの」
『兄貴、むいくんをお願いします』
煉獄の兄貴がむいくんを引き戻す。
むいくんの刀、私の刀を土の上に落とした。
猗窩座と向き合い、話を続ける。
届かないと分かってる、ただの時間稼ぎを。
『でも私、猗窩座のお喋り好きなんだよね…』
「ふおおぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」
「もう少し話さない?」なんて言おうとしたら、後ろからの大声に見事かき消された。
にやにやしながら後ろを見た。
呆然としている兄貴達の目線の先には、
手持ち花火を持ってはしゃぐ伊之助がいた。
『ねぇ猗窩座、あの花火キレイでしょ?』
これが吉と出るか凶と出るかは分からない。
炭治郎と話した時のように、逆に地雷を踏み潰してしまう危険性だってある。
だけど私はこれ以外の手を思いつかなかった。
猗窩座の心に残り続けた花火を見せて揺さぶり、何とか動揺を呼び込む。
「さぁ、俺はあんなもの興味がない」
あ、ダメだ。これはしくじった。
そんなことを思った時にはもう遅し。
背中が震えてビリビリしちゃう。
心臓の脈打つ音がどんどん大きくなって、
体に巡る血が増えているような気さえする。
「───血鬼術 羅針」
猗窩座が地を踏み、光る雪の結晶が現れた。
天に向かって真っ直ぐ伸びる光の柱。
次々と浮かび上がる結晶の先端の文字。
真っ黒な闇に映える、真っ白な羅針盤だった。
バカ、見惚れてちゃダメじゃんか。
攻撃はしない。防御に徹して夜を明かす。
足元にある日輪刀を掴んだ。
「破壊殺 空式!!!」
猗窩座の姿が空に移る。
所見の技じゃなくて良かったな。
この技なら煉獄の兄貴の戦法でどうにかなれる。
『光の呼吸 弐ノ型 改 陽光時雨!』
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さつむいこん(プロフ) - 楪日織さん» もう26位まで落ちてるわ…、見たかったな。忙しいのにわざわざ報告ありがとう〜! (2021年7月1日 21時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - 鬼滅タグランキング今1位だよすごい……!おめでとうさつむいこん!! (2021年7月1日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - ハイキュー!!さん» 私にとってはハイキュー!!さんが優しすぎて尊いです。ありがとうございます! (2021年6月15日 22時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー!! - 尊さの塊ですね! (2021年6月15日 19時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - さつむいこんさん» こちらこそ!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年5月28日 16時) (レス) id: d652f69505 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつむいこん | 作成日時:2021年2月7日 8時