今宵は月が赤いですね。霞ノ章

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「光の呼吸 弐ノ型 陽光時雨(ようこうしぐれ)」




斬っても斬ってもキリがない。
分かってるけどやるしかないのだ。


兄貴が起きれば勝機は見える。
それまでこの人数で持ちこたえなければ。




「霞の呼吸 弐ノ型 八重霞」


『光の呼吸 壱ノ型 木洩れ日』




とある車両で偶然はち合わせ。
私的には霞の呼吸が見られて満足だ。




「数は多いけど再生は遅い。
僕は前方４両を守るから、君はその後ろ」


『分かりました。３両なら大丈夫です』


「残りの１両は……」


『…私達がいた車両ですね』




こくり、とむいくんが頷く。
心配は心配だけど大丈夫だと確信してる。




『兄貴も禰豆子ちゃんもいます。
もう１人も十分強いですから大丈夫』




ここで善逸達が死ぬ未来はほぼ無い。
炭治郎達４人はおそらく大丈夫だ。




「そうだね。じゃあ後で」


『はい！』




目にも止まらぬ速さで移動したむいくん。
彼がいるだけで負担は大きく減る。
皆、持ちこたえることが出来るだろう。


その時、列車が大きく揺れた。
何の音か、すぐに分かる。




善逸が戦闘を開始した。




ここから分かることは２つ。

禰豆子ちゃんの身の安全が保証された。
煉獄兄貴の覚醒が近い。




『光の呼吸 壱ノ型 木洩れ日』




広範囲への細かい斬り込みに長けた技。
単純な動きは体力も消耗しにくく、
これからの戦いへ温存できる。




『…いや、呼吸使わない方がいいか』




ワンチャンその方が楽……。
いやでも斬り込み浅くなるかも…。




『ああもう！光の呼吸 弐ノ型 陽光時雨！』




狭い車両内だから使える技は限られる。
ぶっちゃけ同じ技ばかりでつまらない。

体がだんだん勝手に動いてくる。

何て言うんだろ…。
自転車めっちゃこいだら暫く空回りみたいな感じでペダル軽いじゃん？あれみたいな…。




「A！！遅れてすまない！」




『あっ、兄貴』




あれ、２回目の揺れは来てないぞ？
あんな大きな揺れ、気づかない訳ない。




『後方の様子はどんなですか？』


「黄色い少年と竈門妹の猛攻が効いている！一応斬撃は入れてきたが十分持ちこたえられる！」


『そうですか』


「前方の様子は！？」


『前方４両を霞柱様が守っています。
炭治郎と伊之助は鬼の頸の切断に』


「成程！ならば君は援護に回れ！
この３両は俺が引き受ける！」


『了解です』

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