両想い ページ8
「キス、していいか……?」
さっき無理矢理キスしてきたとは思えないほど弱気な声。
「……………………」
なんて言えばいいのかわからず、私は黙って頷いた。
銀さんは真っ直ぐ私を見つめたまま顔を近づけてくる。
恥ずかしくて、反射的に目を瞑る。
チュ……
静かな部屋に響くリップ音。
神威にされたような感情のこもっていない乱暴なキスではない。
大好きな人からのあったかいキスに、心臓が高鳴る。
しばらくたって、銀さんが唇を離す。
部屋に広がる沈黙に、激しく波打つ心臓の音だけが聞こえる。
私はどうしていいのかわからず、ただただ頬を赤く染めて俯くことしかできない。
気まずい沈黙。
我慢できなくなって顔を上げると、また銀さんに抱きしめられた。
さっきしたキスのせいか、いつもより緊張する。
「………好きだ、A」
もう何回も言われた言葉。
だけどいつも以上に心に響く。
「わ、私も…………」
「私も?なんだよ?」
「だから……その………す……き…だよ………………ちょっとだけ」
改まって言うと恥ずかしくて、つい素直になれない。
そんな私に、さっきと打って変わってイジワルそうな声で銀さんが笑う。
「ちょっとだけ?あれ?さっきは大好きとか言ってなかったっけ?」
「う………さっきのは……そ、その………///」
銀さんを見上げると、楽しそうにニヤニヤしている。
「…………/////」
ああ、もう…………
本当、かっこよすぎだよ。
「そ、そうだよ……大好きだよ!悪い?」
「いやー?別にー?」
相変わらず楽しそうに笑ってる。
私は恥ずかしくて銀さんのお腹に顔をうずめた、
そんな私の頭を銀さんが優しく撫でてくれる。
それだけでとっても嬉しくて。
今日やっと本当の両想いになった気がする。
私に弱音をはいてくれた銀さんも。
イジワルでドSな銀さんも。
全てがかっこいいと思ってしまう。
もう相当な銀さん中毒だな、なんて。
まあ、恥ずかしいからこんなこと絶対に銀さんには言えないけどね。
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クナイ - 最後の絵上手すぎんだろォォォォォォォォォ!!! (2016年7月24日 22時) (レス) id: e995f3fc57 (このIDを非表示/違反報告)
銀姫 - さくらもちさんの作品とても面白いです(*^_^*)面白すぎて止まらない(^_^;)他の作品も見てみます(-´∀`-)これからも頑張ってくだサーイ(*゚∀゚)尸 (2015年8月16日 21時) (レス) id: 82cb5ffe56 (このIDを非表示/違反報告)
(σ・ω・*さくらもち)(プロフ) - 椿☆さん» すごい嬉しいです…!!ありがとうございます(T_T)本当ですか!?すごい偶然!! (2014年9月17日 15時) (レス) id: 67d50557de (このIDを非表示/違反報告)
(σ・ω・*さくらもち)(プロフ) - 定代さん» ありがとうございます……!!やっぱり完結って少し寂しいですよね(´・ω・`) (2014年9月17日 15時) (レス) id: 67d50557de (このIDを非表示/違反報告)
椿☆(プロフ) - すごく面白くて、最初から一気に読んでしまいました!それから、主人公の誕生日の設定が、たまたま私と同じでした! (2014年9月16日 23時) (レス) id: 63e5586329 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらもち | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamui8xxx/
作成日時:2014年7月9日 22時