万事屋の美少女は銀さん溺愛中の彼女です。【坂田銀時】

不器用で優しくて。でもドSで。 ページ25

「うぅ…………やっちゃったよ………」




嫌じゃないって言ったのは私なのに。




「絶対呆れられた………絶対…嫌われた…………」









別に嫌なわけじゃない。



銀さんのことは大好きだし………






ただ、まだ勇気が出ないんだ。



“はじめて”だから。






私はそんなことをぐるぐる考えながら、海岸に体育座りをした。




星が綺麗な夜空を見上げて、ため息をつく。







しばらくその場でジッとしていると、ふいに後ろから抱きしめられた。



誰か、なんて振り向かなくてもわかる。







「ったく。いったい何回俺を殴る気だよ、お前は。体もたないっての」



「銀さん…………」








私はお腹にまわっている銀さんの腕にしがみついた。









「……………怖くなったんだろ？」




銀さんの言葉に黙って頷く。








「嫌なわけじゃないんだよ？はじめては銀さんがいいし………でも…………」



「ったく………」





私の声を遮るように銀さんが口を開いた。






「それなら端から言えよな？まあちゃんと聞かなかったのは悪かったよ…………やっと手に入れたんだからよ。絶対幸せにするって決めたんだよ」




「銀さん………」



「お前が傷つくことはぜってーしねーよ。お前ペースに合わせるから」




　



銀さんのひとつひとつの言葉に心臓が騒ぎ出す。








なんでこんなにかっこいいんだろう………




不器用だけど優しい銀さんが大好きだ。







私は頬をゆるめる。








あったかい気持ちになってるのもつかの間。






「でも俺結構ガマンしてんだからな？だから、今日はAからキスしろよ」



「………………………」









恐る恐る振り向くと、そこには例の真っ黒な笑顔が。




やっぱり銀さんは、ドのつくSらしいです。

好きだから→←やっぱり。

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