芸人とファン (ページ6)

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終演後。

パッと着替えて出入口前に立って

お客さんが出ていくのを目で追った。

Aちゃんはおらへん。

ふと、遠くの方を見て見たら

Aちゃんらしき人の後ろ姿を見つけて

歩いてたら間に合わへんから

全速力で走った。

Aちゃんは背が低いのに

歩くのは速い。

『 Aちゃん！』

突然後ろから肩を叩くのはびっくりされそうやから

ちょっと離れたところから名前を呼んだ。

振り向いた女の子は正真正銘、

Aちゃんやった。

「ええ？！ジョーくんなんでここに？」

元々大きい目を見開いて、

驚いた表情を見せる。

『えっと、あの、これ』

渡すのはやっぱり照れくさくて、

ぶっきらぼうに渡した。

Aちゃんは瞬きをして

きょとんとした顔でボクを見た。

それはあかんよAちゃん…。

『えっと…あの、その、手紙の返事？みたいな』

こういうときにだけ

ちょっと情けなくなる自分がキモい。

「お忙しいのにありがとうございます！！
帰ったら読みますありがとう！」

パァァっていう効果音がつきそうなくらい

目を輝かせるAちゃんは

多分前世は女神。

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