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【佰漆拾伍】自分が生きる未来。 ページ9

※短め注意!

□□□□
side無し

し「これ以上快復する見込みはありません」

し「けれど、方法はあります」

し「蝶屋敷に残って延命治療を続けるか、実家に戻って余生を過ごすか……そのどちらかを、選択して下さい」


し「いずれにせよ……杏華さん、貴方は自分一人で行動出来るくらいには身体が回復しています」



それは、究極の選択だった。
蝶屋敷に残って精一杯寿命を伸ばすか、家に残って寿命を縮めながらも家族と過ごすか。
どちらかを選べと突き付けられた、残酷な選択肢。

その場にいたのは、杏華含めた煉獄一家。

そして、誰もが延命治療を選ぼうとした。
もう二度と帰れなくとも、お見舞いだって出来る。
せめて、この優しい少女に生きて欲しいから。

だが……当人の選択肢は、一つだった。



『──家に、戻るよ』



それは、本来一ヶ月ある寿命を更に縮める事と同義であった。
自分の死すら顧みない、ある意味彼女らしいと言えば彼女らしいその選択。
蝶屋敷に残れば、更に生きられるかもしれない。

それなのに……杏華は、自分が苦しみ抜く選択肢を選んだのだ。

その理由は、誰もが知っていた。

優しく情け深い彼女が、誰よりも家族を愛しているのを知っていたから。



『例え早くに死ぬ結果になっても……私は、家族と一緒にいたい』

『生憎私は寂しがり屋だからねぇ、上手く成仏しないと困ってしまうんだ』

『なぁ、頼むよ』



『家に、帰りたい』

『私達の、家に』




────姉上!

────杏華




戻りたい、帰りたい。
還りたいよ、皆。

それが、杏華の導き出した答えだった。

誰も、異議を唱えることはしなかった。
ただ誰もが、年齢より遥かに幼い顔をしているように見える大切な家族を抱き締めただけ。



し「全く……相変わらず強情な人ですね」

し「私は止めませんよ」

し「それが、貴方の選択なら」

大正コソコソ噂話→←【佰漆拾肆】余命宣告。



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花陰 桜(プロフ) - 紗那さん» 初めまして、コメントありがとうございます!私もそこは気合いを入れて書いたので嬉しいです!割と短めですが、モノローグとして現代編も入れる予定なのでお楽しみに!(ふんすっ) (2022年1月31日 19時) (レス) id: f28080f41d (このIDを非表示/違反報告)
紗那(プロフ) - 初めまして、とても素敵なstoryでお気に入りです!!一人ひとりの別れでは泣いてしまいました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) このまま現代編に続いて欲しいです(^^) (2022年1月31日 0時) (レス) @page50 id: 651dd4d3c6 (このIDを非表示/違反報告)
花陰 桜(プロフ) - いちごマカロンさん» 嬉しいコメントありがとうございますm(*_ _)m (2022年1月23日 22時) (レス) id: f28080f41d (このIDを非表示/違反報告)
いちごマカロン - 面白すぎて一気読みしました!!やばい、小説読んでマジで泣いたのこの作品が初めて、、、新しいエピソードが毎回流される。 (2022年1月23日 8時) (レス) id: 8d57d47a4b (このIDを非表示/違反報告)
花陰 桜(プロフ) - まっひーさん» ワーイ(*´ω`*) (2021年12月2日 18時) (レス) id: f28080f41d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花陰 桜 x他1人 | 作成日時:2021年9月18日 18時

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