【佰捌拾伍】蝶達との別れ【花】 ページ25
※作者が鉄分不足でぶっ倒れた云々については、この別れ話を最後まで何も不純物を入れずに突っ走りたいので消させて頂きました。
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夢主side
次は、五感組の一人である…カナヲだ。
あまり関わりは無かったが、それでも彼女自ら志願してくれたらしい。
前の二人とは違い、何やらモジモジしている。
暫く私の正面に立ち、両者共に黙りこくっているという奇妙な時間が訪れた。
……が、不意にその握り拳の中にある物体が何かを悟って反射で口を開いた。
『……いいよ』
カナ(オ)「……!」
『何も言う事が無いなら、それでいい。
何なら、銅貨で決めてくれてたって構わない。
どんな方法を用いようが、それは紛れもなく君の答えだから』
カナ(オ)「…えと、あの」
やはり、あまり面識の無い私と話すのは気が引けるのだろう。
暫く再びモジモジした後、不意に───ピン!と銅貨を弾く音が響いた。
何を言ってくれるのかな……と大人しく待っていると、寸分違わずカナヲの手の甲に収まる筈だった銅貨の音があらぬ所へ飛んで行ったのに気が付いた。
『……は?』
思わず身を乗り出し、当たりを探る。
──それと同時に、カツン、という乾いた音が縁側の辺りで響いた。
……紛れもなく、慣れている筈のカナヲがわざと銅貨を弾き飛ばした音だ。
一体、何故……?と困惑していると、目の前の初めて眼を開けた少女が自ら口を開いた。
カナ(オ)「……ありがとう」
『…え?』
カナ(オ)「ありがとう、カナエ姉さんを救ってくれて。
あの時の私は、あまりに貴方に無頓智だったのだけれど……最近になって、漸く気付く事が出来た。
…貴方が、カナエ姉さんを助けてくれたって」
『…それは、』
カナ(オ)「だから、私は貴方にお礼を言いたいの」
カナ(オ)「…大切な家族を、救ってくれた貴方に」
『……別に私は、当たり前の事をしたまでさ。
そこまで褒められる義理もない』
カナ(オ)「私ね、気付いたの。
幸せなんてものは、薄い硝子の上に乗っていて弾みですぐ壊れてしまうって……けれど、大切な人が生きている"当たり前"を"当たり前"として確かに……貴方が認めてくれたから」
……!!
『……なぁんだ、そこまで褒められると困っちゃうじゃないか』
あは、凄いなぁ。
いつも火傷のせいで肌が熱いのに……今は、それ以上に暑い気がするや。
案外私は、情に流されやすいみたいだ。
……こちらこそ、ありがとうだよ。
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※話の容量の都合でアオイや三人娘などは入れられませんすいません<(_ _)>
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花陰 桜(プロフ) - 紗那さん» 初めまして、コメントありがとうございます!私もそこは気合いを入れて書いたので嬉しいです!割と短めですが、モノローグとして現代編も入れる予定なのでお楽しみに!(ふんすっ) (2022年1月31日 19時) (レス) id: f28080f41d (このIDを非表示/違反報告)
紗那(プロフ) - 初めまして、とても素敵なstoryでお気に入りです!!一人ひとりの別れでは泣いてしまいました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) このまま現代編に続いて欲しいです(^^) (2022年1月31日 0時) (レス) @page50 id: 651dd4d3c6 (このIDを非表示/違反報告)
花陰 桜(プロフ) - いちごマカロンさん» 嬉しいコメントありがとうございますm(*_ _)m (2022年1月23日 22時) (レス) id: f28080f41d (このIDを非表示/違反報告)
いちごマカロン - 面白すぎて一気読みしました!!やばい、小説読んでマジで泣いたのこの作品が初めて、、、新しいエピソードが毎回流される。 (2022年1月23日 8時) (レス) id: 8d57d47a4b (このIDを非表示/違反報告)
花陰 桜(プロフ) - まっひーさん» ワーイ(*´ω`*) (2021年12月2日 18時) (レス) id: f28080f41d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花陰 桜 x他1人 | 作成日時:2021年9月18日 18時