【特別番外編】もし、夢主と煉獄杏寿郎の立場が逆だったら【参】 ページ15
杏寿郎side
虎のような咆哮を上げながら、乱入してきたのは間違いなく…姉上で。
思わず俺は、怪我の事も忘れて思いっきり叫んでしまったのだ。
煉「─────姉上ッ!!!」
『おやおやおやぁ、私に黙って抜け駆けなんて……随分とやってくれるねぇッ!!
さぁさ、私も仲間に入れてくれよォ!!』
煉「ッ……!!」
彼女の背中が、遠く見える。
今更ながら、潰れた左目と内臓がズキリと痛んだ。
遠くなっていてく姉上に手を伸ばしながら……俺は、思わず叫んだ。
煉「姉上!来たら駄目です!貴方が……死んでしまう!!」
嫌だ、死んでしまう、怖い。
────行かないで。
『─────戯け、』
気付いたら、彼女は足を止めていた。
猗窩座を思いっきり森の向こうへと蹴り飛ばし、その反動でぐしゃぐしゃに折れた片足ごとしっかりと地を踏みながら。
煉「……え?」
『弟一人助けられないなど……随分と、舐められたもんだね。
…自惚れんじゃねぇぞ。
君一人を助けることなんぞ、雑魚鬼を倒すより遥かに簡単だ。
弟を守り、助けるのに理由なんていらない。
私はただ──────自分の【
ふわ、と紅白の羽織が風に揺れた。
背中の、滅の字が見える。
─────炎が、渦巻く音がした。
『鬼滅の刃を────ただ大切な弟の為に振るって、何が悪いんだァッ!!』
炎の渦が、森の中へと迸った。
煉「……ッ!」
視界が霞む、前が見えない。
怪我でも、疲労でもなく……ただ、涙で視界が埋まった。
そして、森の中で渦巻く炎の音が聞こえなくなってから……姉上は、帰ってきた。
右目を潰され、少し足を引きずりながらも。
『おーい、帰ったぞぉー。
すまんねぇ、間一髪で鬼が逃げちまってさ……って、えぇ?!』
飄々としていた彼女は、俺の涙を見るなりギョッと目を見開いた。
『え、ちょ、なんで泣くんだい?!
ほら、私ちゃんと生きてるぞ?!』
煉「姉上えええぇ…………」
『はい姉上ですがッ?!』
煉「良かった、良かったぁ、生きてて……姉上えええぇ…」
『─────なんだい、照れるじゃないか』
□□□□
結局、杏寿郎も夢主も誰かの為に動いてしまうんですよね…。
だから、やり方やタイミングは違えど救う書き方にしてみました。
いかがでしょうか?
内容量の関係で悪女云々は作れませんでしたが…( ´•ω•` )
因みに、少しでも原作の設定に寄せたい為夢主の年齢が20歳になってます。
杏寿郎は……まぁ特に考えてなかったので、お好みの年齢で(おい)
【小話】個人的にかっこいいと思う夢主のセリフ集→←【特別番外編】もし、夢主と煉獄杏寿郎の立場が逆だったら【弐】
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花陰 桜(プロフ) - 紗那さん» 初めまして、コメントありがとうございます!私もそこは気合いを入れて書いたので嬉しいです!割と短めですが、モノローグとして現代編も入れる予定なのでお楽しみに!(ふんすっ) (2022年1月31日 19時) (レス) id: f28080f41d (このIDを非表示/違反報告)
紗那(プロフ) - 初めまして、とても素敵なstoryでお気に入りです!!一人ひとりの別れでは泣いてしまいました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) このまま現代編に続いて欲しいです(^^) (2022年1月31日 0時) (レス) @page50 id: 651dd4d3c6 (このIDを非表示/違反報告)
花陰 桜(プロフ) - いちごマカロンさん» 嬉しいコメントありがとうございますm(*_ _)m (2022年1月23日 22時) (レス) id: f28080f41d (このIDを非表示/違反報告)
いちごマカロン - 面白すぎて一気読みしました!!やばい、小説読んでマジで泣いたのこの作品が初めて、、、新しいエピソードが毎回流される。 (2022年1月23日 8時) (レス) id: 8d57d47a4b (このIDを非表示/違反報告)
花陰 桜(プロフ) - まっひーさん» ワーイ(*´ω`*) (2021年12月2日 18時) (レス) id: f28080f41d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花陰 桜 x他1人 | 作成日時:2021年9月18日 18時