【鬼滅の刃】煉獄さんの姉に転生したら悪女に文句を付けられた件について。

【番外編】夢主ちゃんと前田まさお ページ47

※原作軸……かな？

side無し

さて、ここはある日の鬼殺隊本部。

青空の下、白昼堂々恥も外聞も捨てて泣き喚く情けねぇ大人の姿があった。
蹲るはその大人こと前田まさお、手で掴むは布の面積が少なすぎる隊服、許しを乞うはいい笑顔で腕を組む炎柱の少女。

『さて……弁明を聞こうか？ん？？』

前田｢いやあのほんと違うんですついうっかりやめて刺さないで｣

『刺しはしないさ、私は鬼しか刺さない。
私はただ君とお話をしたいだけさ』

お話と言ってはいるが、布面積が無さすぎる服をしっかり踏み付けてる辺り容赦はない。
しかしそれを絶対に離さんと言わんばかりに隊服を掴む前田も大概である。

『誰の許しを得てこんな巫山戯た隊服を？よりにもよって？入ったばかりのいたいけな少女達に？……君は漸くその粗末なモノを断ち切られたいみたいだねぇ』

声質は天女のそれだが、しかし声色は地獄を這うそれ。

こんなにも乖離することが果たして今までにあっただろうか。

否、無い。
しかし全面的に悪いのはこの前田なので庇う余地は無いが。

『私は別にいいさ、君があまりにも恥も外聞もへったくれもねぇ泣き方で強請るもんだから断るに断れなくてねぇ』

前田｢ﾕﾙｼﾃｸﾀﾞｻｲ｣

『私は別に怒っていないさ、怒っているのは君に隊服を押し付けられた少女達さ。
……で、申し開きは？？』

『ん？』と今までに見た事のない程清々しい笑顔に土下座をする前田に顔を近付ける炎柱。
控えめに言って閻魔より怖い。
寧ろ閻魔が裸足で逃げ出すレベル。

と、ここで前田は限界を迎えた。

具体的に言うと何もかも捨て去った感じで。

要するに開き直りである。
しかも悪い意味で。

前田｢だ゛っ゛て゛そ゛う゛い゛う゛の゛み゛た゛い゛じ゛ゃ゛な゛い゛で゛す゛か゛！！年゛頃゛の゛女゛の゛子゛も゛多゛い゛しﾞ！！｣

｢ｵﾄｺｫ!!｣が口癖な彼女の友人の錆兎が聞いたら例え温厚な彼でも助走つけて殴り掛かるレベルであろう。

『……ふーん、君の誠意は分かったよ。
なら、今ここで粗末なモノを大衆に晒しても構わないよね？？？』

前田｢えっそれは｣

『だってそうじゃないか。
胸元やら足やら腰やらを無駄に露出した隊服ばかり……全く何を考えているのやら。

で、どうする？』

前田｢ﾓｳｼﾜｹｺﾞｻﾞｲﾏｾﾝﾃﾞｼﾀ｣

これには流石の前田も黙った。







『謝るくらいなら生きる価値のない畜生でも出来るぞこのド畜生が(ガチトーン)』

前田｢……ふぁい｣

この後前田は泣きながら隊服を作り直した。

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