【肆】稽古をしよう! ページ5
夢主side
『父上、折り入ってお話がございます』
父上の部屋で、姿勢よく正座をする。
槇「う、うむ…なんだ?畏まって」
杏寿郎と同じ、朱の瞳が私を射抜く。
『…』
緊張を隠すように、一つ息を吐いた。
ピシッと畳の床に座し、己が父を見つめる。
下手したら杏寿郎の…それこそ私の人生に関わるかもしれないのだ、心してかからなければ。
『私に稽古を付けて頂けないでしょうか』
槇「お前、それは…」
朱色の瞳が一つ驚きに揺れ、次いで哀れみと憂いの色が乗った。
『いつか戦場に立つ弟の為に、強くなりたいのです』
槇「〜〜ッ、それはダメだ。
お前の身体の病弱さはお前自身も分かっているだろう?」
眉を顰め、私を案じる様は確かに娘を想う父の顔だった。
一瞬原作の酒に溺れ荒んだ雰囲気の槇寿郎さんが頭に思い浮かぶが、それは今考えることではないだろう。
彼がここまで渋るのには訳がある。
物事はどうも上手くいかないようで、私はあまり身体が強くなかった。
風邪をひくのもしょっちゅうだし、記憶を思い出した折随分長く寝込んだのもその病弱さが原因とはかかりつけ医の見解だ。
しかし、それがなんだ。
身体が弱い?甘ったれるな、この世界には信念で柱まで登り詰めた人物もいるのだぞ。
自分で自分を戒め、次いで酷く決意の籠った瞳で己が父を見つめる。
『弟を守らんとして、何が姉でしょう』
槇「……仮に鬼殺隊に入れたとしても、辛い思いを沢山するぞ。
…最悪、死ぬかもしれんぞ」
『承知の上です』
槇「殺された者も大勢いるぞ」
『死を恐れずして何が出来ましょう』
その後も押し問答が続き、最初に折れたのは彼の方だった。
頭をガシガシと掻きながら、父上が言う。
槇「は〜〜〜…ッ。
そこまで言うのなら分かった、俺が直々に稽古をつけてやる。
ただし、俺の稽古は厳しいぞ!途中で投げ出すことは許さんぞ」
『……痛み入ります、父上』
深く深く頭を下げ、何とかソレを勝ち取れたことに安堵した。
────覚悟を決めよう、ここから先は修羅の道だ。
【伍】無゛理゛死゛ぬ゛吐゛き゛そ゛う(濁音)→←【参】私の愛しい家族達。
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むむ - 下の[ ]の所とても好きです! (2022年8月23日 8時) (レス) @page26 id: 7c3c18ba97 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - 花陰 桜さん» そうですよね、、、、、でも、、、こうでもしないと他にどうしたらいいのか分からないので…………。(((^_^;)m(__)m(T_T)毎日凄く淋しいです…………。(T_T)m(__)m (2021年6月22日 22時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
花陰 桜(プロフ) - シルビア☆姉貴さん» はい、頑張ります!紹介の件は…ごめんなさい、それについては普通に個人情報を乗せること(規約違反)になってしまうので……私の口からは話すことが出来ませんm(_ _)m (2021年6月22日 20時) (レス) id: 86361137d0 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - 花陰 桜さん» その時は、コメントで知らせて下さいね!!!!待ってます!!!!(^o^)v(*^^*)(^ω^)それと、、、お願いなんですけど、、、親戚・知り合いとかに彼女募集中の独身男性が居たら紹介して欲しいです!!!!本当にお願いします!!!!!!! (2021年6月22日 19時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
花陰 桜(プロフ) - シルビア☆姉貴さん» 本当にごめんなさい…。またある程度慣れたら合作にも手を出して行きたいと思いますm(_ _)m (2021年6月22日 16時) (レス) id: f28080f41d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒影 | 作成日時:2021年6月13日 21時