変わってほしくない【3】《伊藤Side》 ページ31
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にっしーと宇野ちゃん。
何があったんだろう。
「ちーあき！踊るよ！」
Aが元気に私を呼んだ。
知らないうちに打ち合わせは終わってたみたい。
私、考え込んじゃってたんだな。
「おっけー！」
いつかAに聞こう。
何があったのか。何が原因だったのか。
それがAにとって辛く悲しいものなら、私が助ける。
支えになってみせる。
「あ、明日なりそうだわ」
と秀太が床に寝っころがった。
「筋肉痛か。俺もだわ」
だっちゃんもその横に座った。
打ち合わせの後、私たちは2時間以上も踊り続けた。
そりゃ疲れるよね。
「私もなりそう、筋肉痛」
次々と座り込むメンバーに続いて私も床に座った。
その横にAが来てにこりと笑った。
「千晃頑張ってたもんね」
「え？そうかなあ」
こくりと頷いたAも頑張っていたのに。
Aといるとなんだか和むなぁ。
「少し休憩して、30分後から衣装合わせをしまーす」
と言ったスタッフさん。
休憩か、やった。
そう思ったのはメンバー8人全員だろう。
みんなが安堵の表情を浮かべたのがわかった。
そして、それぞれがリラックスをしようとしたとき、真司郎が一人、部屋を出て行こうとした。
「え、どっか行くの？」
リーダーが驚いて真司郎に聞いた。
それに対して真司郎は普通に答えた。
「え、だって今休憩やろ？」
あ、確かに……。
「じゃあ、行ってきますね」
作った笑顔でそういうとさっさと出て行った真司郎。
「なんか笑顔だったのがムカつくんだけど」
宇野ちゃんが笑いながら言った。
「最年少なのにな」
それにリーダーも加わった。
この二人は真司郎のことに関してよく理解しているイメージだな。
「最年少って括りにしないでよー」
そんなことを言ったAも真司郎のことを理解しているけどね。
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作者名：ソルト
| 作成日時：2015年7月26日 22時
