変わってほしくない【2】《伊藤Side》 ページ30
*
*
*
「じゃあ、ここ右足にする？」
「左右対称もいいけど…」
など、次々と意見が出てくる打ち合わせ。
ダンスの打ち合わせでは主にリーダーと真司郎と秀太が意見を言い合って形にしていく。
今は一通りダンスをして、修正する部分があるかを確認している。
円形になって座ってるうちら。
あたしの目の前には真司郎、隣は宇野ちゃんと秀太。
Aとにっしーはまだ戻ってきてない為、仕方なく6人で話し合う。
メンバーの意見や修正されたところをメモしたり………
まだまだ 完成 とは程遠い。
それにしても、にっしーとA遅いなぁ。
もう3時間も経ってる。
ちらりと宇野ちゃんを見ると、紙を見つめながらボーッとしているようだった。
心ここに在らずってかんじ。
宇野ちゃんの名前を呼ぼうとしたとき、数時間聞いてなかった声が聞こえてきた。
「けっこう進んだ？」
とにっしーの声。
にっしーが来たと同時に表情が明るくなった宇野ちゃん。
え、嘘でしょ……？
もしかして宇野ちゃんもにっしーのこと……
「西島遅えよ」
日高くんが茶化しながらそう言った。
そこで私は現実に引き戻された。
このことを考えるのはダメだ。
ダメな気がする。
「ごめんごめん、今から踊る？」
とにっしーは笑いながら宇野ちゃんの隣に座った。
Aを見ると悲しそうにその2人を見ていた。
でも、私と目が合えば笑ってごまかして。
昨日、Aがあんなに泣いていた理由。
それは、きっと。
この2人が関係している。
今まで気づいていなかった、自分の想いを否定していたAが急に��恋��だと気づいたのにはとても大きな出来事があったはずだから。
*
*
*
変わってほしくない【3】《伊藤Side》→←変わってほしくない【1】《西島Side》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 905人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソルト
| 作成日時：2015年7月26日 22時
