動きだす想い【1】《西島Side》 ページ14
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「お腹空いた〜。ご飯いこ〜」
リハーサル終わり、リーダーがみんなにそう呼びかけた。
こうやってメンバーだけでご飯行くことは度々ある。
本当に俺らって、ずっと一緒にいるんだな。
「行きたい！」
そう元気良く答えたのはA。
さっき、お腹空いたって言ってたもんな。
なんて思いながら俺は帰る準備を始めた。
「よし！いいLIVEにしようぜ！かんぱーい！」
「「かんぱーい！」」
来たのはスタジオ近くの居酒屋。
練習終わりにメンバーで来るのはここ。
「宇野。それとって」
「はーい……あっ」
日高に頼まれた料理に手を伸ばし、とってあげようとした宇野ちゃん。
ちょうどそのとき、テーブルの上にあったグラスを倒してしまったようで入っていた水が、宇野ちゃんの正面にいた俺にかかった。
「にっしー……！ごめんね。あの、新しいの買ってくるよ、私」
「いや、大丈夫だよ」
「お気に入りだったり、したかな？」
「ううん、大丈夫。それより宇野ちゃんは水かかんなかった？」
必死に謝ってくれるけれど、正直捨てようと思ってたズボンだし、さほど濡れていないから、俺も「大丈夫」と何回も言った。
「はい、にっしー」
Aがタオルを持って来てくれて俺はそれでズボンを拭いた。
「ごめんね、A。私、気が利かなくて」
「大丈夫。にっしーも大丈夫だって言ってるんだし気にしないでいいんじゃない？」
申し訳ないさそうにしている宇野ちゃんを安心させてあげようとするA。
「うん、ありがと」
少し笑顔になった宇野ちゃんを見てAもにこりと笑った。
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作者名：ソルト
| 作成日時：2015年7月26日 22時
