出逢いのチカラ【6】《宇野Side》 ページ11
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「あ、宇野ちゃん」
「あ、おはようございます」
練習室のドアに手をかけた私にスタッフさんが声をかけた。
「出逢いのチカラのことなんだけど、今日から打ち合わせを始めようと思うの」
今日から、か。
「……はい。わかりました」
にっしーは今日からだということを知っているのだろうか。
知らないなら教えた方がいいよね。
「じゃあ、あとで」
「はい」
スタッフさんが行ってから私は練習室に入った。
中にいたのはリーダー、A、秀太の3人。
Aが私に気付いて手を振ってくれる。
「おはよ、宇野ちゃん。相変わらず早いね」
「おはよ。Aのほうが早いのに何言ってるの」
「あ、そっか。そうだね」
いつもしっかりしてるAはたまに天然だなと思うときがある。
そこが可愛いなって思うんだけど。
私はそんなAに笑みがこぼれた。
そのとき、大切なことを思い出して、Aに聞いた。
「そういえば、にっしー見なかった?」
「にっしー……?」
「うん」
「み、みてないよ。多分、まだ来てないと思う」
少しAの様子がおかしいと思ったけれど、すぐに普通になったから「どうしたの」とは聞けなかった。
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作者名:ソルト | 作成日時:2015年7月26日 22時