メンバーということ ページ1
*
*
*
いつもそうだ。
この質問が来ると、みんなは顔をしかめる。
それがわかっていてこの人たちは聞いているのだろうか。
「無いですね。家族みたいなものなので」
この質問に何回答えたんだろう？
そして何回同じ答え方をしたんだろう？
よく聞かれるこの質問。
『メンバー内で付き合っているとか無いんですか？』
いつものように笑って答える私。
そうだ。この質問に答えるのも毎回私だ。
まあ、そういう位置に出向いてしまった私が悪いのだけれど。
話すのは苦手じゃないけど、この質問のときだけは他の人にしてほしい。
……なんて言えるわけもないから今日も笑顔で答える。
「本当に無いんですか？ 美男美女なグループなのに？」
とまだ聞いてくる記者の人。
今日の人は諦めが悪いみたい。
真実アピールの為、しっかりと目を合わせて言う。
「無いですね。一緒にいる時間が長すぎて」
一緒にいる時間が長いのは本当のこと。
もう1年半くらいかな？
…あれ、まだ1年半？
と自分でも思ったけど、これまで一日中といってもいいほど一緒にいるんだから変わらないでしょ。
「でもメンバーの中に好きな人はいるんじゃないですか？」
それって、ただの興味本位じゃないの？
きっと男女混合ってことでからかわれてるだけだろう。
*
*
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 905人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソルト
| 作成日時：2015年7月26日 22時
