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『ガチャ…』
「おかえりっ、翔平!」
翔「おわっと。A、ただいま」
久しぶりに会う翔平はなんだか大きくなった気がして
ドアが開いた瞬間、どこかに行ってしまわないようにぎゅっと抱きついた。
翔「…会いたかった」
「翔平、私も」
あの翔平の発言のあとままからも電話がかかってきて、
小さな笑い声と小さな溜め息で、
今度二人でもう一回来なさい、と言われた。
今度帰るときは兄妹としてじゃなく恋人として翔平と帰れるんだ。
翔「あ、A」
「ん?」
翔「1回座って?」
そう翔平に言われてテーブルの前で正座する。
翔「これ、拳士さんから」
箱がテーブルに1つ。
翔「彼女にあげてって」
拳士さんのサインボール。
「…?ありがとう?」
翔「いらないよね。俺もいらないって言ったんだけどね」
翔「そしてこれ」
「…何これ」
開けなくてもわかってしまった。
「ゆ、指輪…?」
私の前でそっとその箱を開ける翔平
翔「俺の気持ち。
受け取って?」
左の薬指にそっと。
「…え?」
翔「俺の愛情が伝わりますように。
いつか、本物に変えるから。
ずっとずっとそばにいて?」
「…うんっ」
私の左の薬指にはめられた綺麗な指輪はキラキラ輝いてる。
翔「どんなのがいいか分からなくてちょっとだけ遥輝さんに手伝ってもらっちゃった…笑」
「ちゃんと伝わってるよっ。ありがとう…!」
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作者名:れな | 作成日時:2017年11月30日 19時