Twinkle twinkle little star~きらきら星~#F7 (ページ10)

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遥輝side

今日も試合に勝っていい気分のまま家に帰宅する。

気持ち早く帰りたくて車を少し飛ばした。

ベランダの近くに行って外の気配を確認するが何も聴こえてこない。

遥｢まだおらんのかな｣

冷蔵庫から缶のビールを一本とってソファーに座って喉に通らせる。

遥｢ぷはぁー、｣

正直に言うたら一目惚れやんな。
Aさんに一目惚れ。

何歳かもわからん相手に一目惚れなんてあかんよな。

ゴクゴクとビールを喉に通す。

一人暮らし特有の静寂。

『～♪』

またいつものように微かな歌声が聴こえる。
俺はベランダに飛び出した。

遥｢Aさん、こんばんは｣
｢…こんばんは｣

ハッとした顔でこちらを見上げている。
びっくりさせてもうたな。

遥｢今日も歌ってれませんか？｣

Aさんにきらきら星をリクエスト。
耳を澄ましてAさんの歌声を待つ。

｢…あの、｣
遥｢ん、？｣

｢お名前は…？｣

その時感じた絶望感。

あなたに出逢いたくなかった。

想像もしていなかった。
この恋がこんなに苦しいなんて。