明日はきみに (ページ18)

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中3の時だった、いろいろ言われたのは

「藤原くんの幼なじみだからって何様？」
「可愛くもないくせに」
「隣歩いてんじゃねぇよ」

丈一郎に見えるところではなにもなかったもの、すれ違い様に言われたり、嫌がらせの電話やメールの毎日だった

でもその時思った、
私にとって丈一郎はただの幼なじみだったけどみんなからしたらアイドルなんだ、

アイドルの藤原丈一郎なんだって

学校にファンがいたのかなんて知らないけど、今考えれば幼馴染みの女がいつも隣にいたなんていい気はしないだろう

高校も先生に同級生がいないところを教えてもらった、幸い3年間友達もでき何かをされることもなかった、私が丈一郎と一緒にいることを少なくしたから

向こうも仕事、私も丈一郎にバレないように極力一緒にいないようにした

でも高3の時、環境が変わったんだ、父親が帰ってこなくなった、帰ってきたと思ったら母親と喧嘩

いつしか母親のストレスは私は向いた
こんな作ったような世界が本当に自分に訪れるとは思わなかった
身体中にできた傷は綺麗に残っている

一生消えることはないだろう

だから私は大阪を出ることにしたんだ、

母親に言ったらなにも言われなかった、父親は多分知らないだろう

両親が今どうしているのかすら私には分からない、5年間連絡を取ったことは一度もないから

これを丈一郎に言わなかったのはどうしてもずっと引っかかった言葉「アイドル」だった

丈一郎はアイドルとしての人生を決めたんだ、それは誰かを幸せにしたい、楽しませたい、夢を見せたい、口癖のように言っていたのを覚えている

藤原丈一郎に幼なじみがいる、しかも女の子

これがファンの子たちバレたらどう思うだろう
たかが幼なじみ、何もないと言われても私なら不安になる

丈一郎のデビューへの夢はどうなるんだろう
私という存在がアイドル人生を邪魔しちゃうんではないか

考えれば考えるほど答えは出てこなかった
好きだから、丈一郎が大好きだったから

だからなに言わずに大阪を出た、誰もいないところで
幼馴染みという関係が知れ渡る前に私から消えた

「これが本当の理由」

丈一郎の顔は今まで見たことない顔だった
笑っちゃうなぁ

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