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蓮「Aちゃん、ありがとね。これお礼に」
ふわふわのタオルの上にぽん、とチョコレートが置かれた。
『いいんですか？』
蓮「うん。それ美味しかったけんあげる」
『嬉しいです！ありがとうございます』
うんうん、とニコニコ頷いてくれていた先輩だったが、
あ、と呟くと表情を変えた。
その視線の先、わたしのすぐ後ろに河野くんがいた。
純「蓮くん！どしたんすか？」
蓮「Aちゃんに借りとったものがあったけん、返しに来た」
純「そうなんすね！そういや蓮くんも日曜暇やったら試合来てくださいよー。高城さんも来るし！な？」
急に話を振られてびっくりしたけど頷いておいた。そしてさすが河野くん、既に先輩とも仲が良い。
てか、もしかして川尻先輩とスポーツ観戦のチャンス到来なのでは？
蓮「あー…行きたいのは山々なんやけど、俺も同じ日にダンスの大会あるんよ。それでAちゃんに見に来てーって言おうと思っとったけど、純喜に先越されたわ」
純「まあそれはしゃーないっすね！次の機会あったら俺も行きますんで！」
…ちょっと待って。
わたしのこと誘おうとしてくれてたって聞こえたけど！？
チャンス到来と思いきや、最大のチャンスを逃した。
『今回は河野くんが先約だったのですみません……でも…先輩のダンス見たかったです……』
蓮「その言葉だけで嬉しいよ？次は見に来てね。じゃあまたね」
『はい、絶対！』
ポンポンと頭を撫でた後、そのままその手をフリフリと振って去っていった川尻先輩の破壊力たるや。
おーい高城さんアホ面なっとるで、と顔の前で手をフリフリする河野くんを置いて美彩たちの元へ戻る。
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作者名：あい | 作成日時：2023年11月13日 20時
