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「あの時は本当にごめん。………色々あったけど俺がAを好きな気持ちはずっと変わってない。これは嘘じゃない」
『そ、っか…』
「でも守るって言ったくせに傷付けちゃってるし、やっぱ最低だよな。今更好きとか虫が良すぎるし…」
『瑠姫』
段々と声に力がなくなって視線を逸らした瑠姫の手を握ってまっすぐ見つめた。
瑠姫の瞳が少し自信なさげに揺れている。
『ありがとう』
「え？」
『確かにあの時は悲しかったけど、瑠姫なりにわたしのこと考えてくれてたんだね。そんな優しい瑠姫だから好きになったんだよ』
瑠姫はこつんとわたしの肩に額を落とす。
「A、ずるい」
ゆっくりと顔を上げた瑠姫を見ると優しい顔で笑っていた。
「………遠回りしたけど大好きだよ。これからはずっと俺が隣で守る」
『うん、よろしくね』
その後はのんびり話していると気づけばお昼の時間になっていた。手を繋いで教室に戻ったらいち早く気付いた河野くんがバタバタと近づいてきた。
純「え！？そんな大胆な感じで帰って来ると思わんかった。もう昼やし」
『河野くん、おかげで気持ち伝えられたよ』
純「まあ二人とも幸せそうで何よりやな！早よご飯食べよか」
美「いつの間にそんな展開なわけ？」
みんなで話している最中にちらりと隣の瑠姫を見るとじーっとこっちを見ていた。気まずくなって下を向くと手をぎゅっと握られた。
驚いて彼を見ると満足そうに笑って会話に参加していた。何だか悪いことをしてるみたいな気分になってドキドキする。
純「嬉しそうな瑠姫見れて安心したわ」
「いつもと変わんないでしょ」
美「自分で気づいてないの？いかにも幸せですって気持ちが出てるよ」
『それはわたしも、かも？』
「本当そういうところだよね」
いきなり額にキスを落とされた。
お昼時間で各々食事をとっていたはずだったのに教室が一気にシンとなった後にわっと沸いた。
ーい、今の王子、永久保存版じゃない！？
ーちょっと、ディズニーのワンシーンかと思った
ー流石だな白岩……
ざわつく教室と目の前で真っ赤になって固まっている河野くん、少し呆れた顔の美彩、余裕たっぷりの瑠姫。そして茹蛸かつ放心状態のわたし。
こんなのが続くと思うと心臓がもたない気がするけど彼の隣にいられるなら何でもいっか。
これからも、あなただけを見つめるからずっと隣にいてね。
fin.
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作者名：あい | 作成日時：2023年11月13日 20時
