ブーゲンビリア【R.S】 (ページ5)

今日:40 hit、昨日:157 hit、合計:84,040 hit

5 ページ5

.

美彩とわいわい楽しく過ごしていたら、あっという間に放課後になった。

バイトだからじゃあね！と走っていった美彩を見送って、帰宅部であるわたしはいつもならこのまま帰るだけ。
ただ、今日は何となくグラウンドの側で足を止めた。

すぐそこには女子のギャラリーができていた。
それを見た瞬間に、ああサッカー部か、と全てを悟った。

女の子たちの目線の先には白岩と河野くんがいた。

「サイド、サイド！」

純「瑠姫！」

「おっけー」

河野くんからのパスでボールは白岩の方へ。
そのままトラップしてビタ止め。ボールは綺麗に白岩の足元に収まっていた。と思った次の瞬間、白岩は急加速してドリブル、そのまま勢い良くゴールを決めた。

「っしゃー！！」

天高く拳を突き上げてキラキラ眩しい笑顔を見せた白岩に少しだけ胸が跳ねた。
…あんな笑顔向けられたのは、いつが最後だったっけ？

そんなことを考えながら、ぼーっとグラウンドを眺めていると聞き覚えのある声がした。

純「おーい！高城さーん！」

どうやらわたしに気付いたらしい河野くんがブンブン手を振ってきた。
ギャラリーからの視線が少し痛い。河野くんは何も悪くないけどモテている自覚がなさすぎる。

とはいえ、流石に何もしないのも悪いかなと思い手を振り返す。
その横には水分補給をしている白岩もいた。

.