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でもとりあえず白岩くんのためにあっち行くまではパーカー着ときなさい、とよくわからないことを言いながら美彩がわたしにパーカーを羽織らせた。
確かにいきなり見られるのは恥ずかしいからこれでいいか。
純「ほんまに水着なんやな……」
「お前マジで鼻の下伸ばすな」
純「そんなんしてないって！」
いざご対面すると緊張してきて視線が下へ下へと下がってしまう。
だってパーカー羽織ってるけど前開けてるから瑠姫の腹筋見えちゃってるし、白い肌輝いてるし、目のやり場に困る。
河野くんも腹筋バキバキだし、さすがサッカー部のツートップ。
隣を通り過ぎるナイスバディのお姉様方も二人をガン見してる。
河野くんは既に別のお姉様に何やら話しかけられたらしく、嬉しさを隠しきれていないまま対応していた。美彩はそんな河野くんを引っ張ってパラソルの方へ向かっていった。
『えっ、と……』
「見せてくんないの？」
二人きりになった途端、恥ずかしくてぎゅっとパーカーを握っていると瑠姫がまるで見せて欲しいとお願いするように聞いてきた。
その目に負けてジーッとジッパーをおろしてパーカーを脱いだ。反応が怖くて、視線は砂浜にしか向けられなかった。
瑠姫が何も言葉を発してくれず不安になっていたらゆっくりとパーカーを元に戻されて上まで閉められた。
『あ、変、だよね…そうだよね。なんかごめん』
「いや違うから」
『？』
「可愛すぎるから、見せるの禁止」
もちろん純喜にもね、と言われて全身の熱が上がった。ジリジリと照りつける太陽のせいにしたかったけど、これは確実に瑠姫のせいだった。
『え、あ、っ美彩の水着も、可愛いよね！』
「は？あー…まあ可愛いけど。てかあの二人楽しそうだな」
耐えきれなくなって咄嗟に美彩の話題を出したけどすぐに間違えたと気づいた。ちらっと遠くにいる河野くんと美彩を見て笑う瑠姫。
多分さっきのは美彩が気を遣って二人きりにしてくれたんだと思うけど、もしかして瑠姫は美彩のところ行きたかったかな…なんて考えてしまう。自分で自分の首絞めちゃった。
『あっち行こっか』
「…うん。人多いし、逸れないようにここ持ってて」
手を取られて瑠姫のパーカーの裾を持つように誘導された。そのままぎゅっと離れないように握りしめた。
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作者名：あい | 作成日時：2023年11月13日 20時
