ブーゲンビリア【R.S】 (ページ30)

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パァン！！！！
大きな大きなピストルの合図で第一走者が走り出した。
学年混合のため、何年生が走っているかは分からない。とにかく自分のチームを頑張れー！と応援する。

終盤に差し掛かったところでわたしたちのチームが二位、そして川尻先輩のいるチームを追いかける展開となっていた。

美「河野くんだ！てか白岩くんアンカー？」

走っている河野くんを見据えるようにラストの走者として立っているのは確かに瑠姫だった。
ちゃっかりアンカーじゃん、と少し笑ってしまった。

純「あ、やっべ！！！！」

順調に走り出し、あと少しで一位を追い抜くと思われた河野くんだったが、するりとバトンが手から離れてしまった。

美「河野くーん、諦めるなー！いけー！！」
『あと少しーー！！』

幸い他に追い抜かされなかったものの一位との差を少し広げてしまった。
そしてそのまま瑠姫にバトンが渡った。瑠姫が追いかける一位の走者は川尻先輩だった。

『瑠姫！絶対行ける！頑張れーーっ！！！』

自分の出せる精一杯の声を彼に届けた。
すると瑠姫は一瞬驚きの表情をこちらに見せたけど、任せろと言わんばかりに笑った。

ーゴールテープを一番に切ったのは白岩くんです！

「「「わーー！！！！」」」

『…瑠姫、本当に一位になっちゃった』

美「絶対Aの応援のおかげじゃん！それにしても最後かなり加速してたね、白岩くん！」

瑠姫は河野くんたちに囲まれていた。
彼の活躍のおかげでクラスメイトは大盛り上がりだし、何なら他チームも王子やばすぎ！と声をあげていた。

純「なあなあ！瑠姫やばない？俺のミス帳消しにしてくれてん」

美「白岩くんが掻っ攫っていったね。まあ完璧じゃないところが逆に河野くんっぽくて良かったよ？」

純「どういう意味やねん。普通に貶してるやん」

『まあまあ。河野くんお疲れ様！』

純「くそー。あそこで落とさへんかったら俺も絶対抜かせてたわ」

結果的に勝ったとはいえ悔しそうにする河野くんに瑠姫が満足そうな顔で肩を組んでいた。

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