ブーゲンビリア【R.S】 (ページ29)

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『ごめん！考え事してて…』

美「もー！ていうか見てよ！バーゲンセールの勲章」

所謂タイヤ奪いに出場した美彩の服には擦れたような黒い線がたくさんあり、壮絶な戦いだったのが見て取れた。

『めちゃめちゃお疲れ…わたし出てたら命なかった可能性すらある…』

美「おい、無傷のわたしが最強ゴリラみたいな言い方すな」

『してないじゃん！』

いつもの美彩との掛け合いに楽しくなって二人して思い切り笑ってしまった。
彼女はわたしが考え込んでいることを意識しているのかしてないのか分からないけど、いつもこうやって気分を晴らしてくれる。

そんな素敵な美彩を瑠姫が好きになるのなんて当たり前だし、おかしいことなんてないんだよなあ、なんて頭の中で考えていたら少しスッキリした気がした。

彼が誰を好きでも、わたしはわたし。
それは認めてあげないといけないんだよね。

美「どしたの？なんかスッキリした顔しちゃって」

『わたし、瑠姫のこと好きなんだなって思って』

美「え？…は、なに！？ついに認めたの！？」

『認めたの？ってそんな分かりやすかった？』

美「そりゃ分かるよ。もう好きじゃない、なんて言ってたけど顔に書いてあったもん。大好きって」

『で、でも川尻先輩のこと応援してくれてたじゃん！』

美「憧れの先輩、くらいなんだろうなと思ってたよ、最初から。後々自分で気づくだろうと思ってたし」

『みーーーさーーーー』

なんてことないように言い放った美彩に抱きつくと何よやめてよと笑いながらも抱きしめてくれた。

ーー体育祭最後の競技は選抜リレーです。出場選手の皆さんは待機場所へ集合してください。繰り返します……

美「ま、自分の気持ちに整理ついたならこれは応援するしかないっしょ！」

ついにリレーの時間がやってきた。
今年の体育祭は接戦だったため、このリレーで順位が決まる。
応援団の声にもこれまで以上に熱が入りはじめた。

入場した瑠姫たちは何やらお互い声を掛け合っているようだった。
川尻先輩が瑠姫たちとは少し離れたところに居るなあと思っていたら突然先輩と目があった。
ニコニコと手を振ってくれる先輩に小さくてを振り返す。美彩にこら！と背中を叩かれたけどこればかりは許してほしい。流石に無視はできないよね。

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