ブーゲンビリア【R.S】 (ページ28)

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「今日はお嬢様だから、特別な」

毎日特別なら良いのに。
そうしたら瑠姫はわたしだけを見てくれるんでしょ？なんてね。
そんなこと考えている時点で、さっきの答えは出ているはずなのに認められない臆病な自分がいた。

だって認めたところで好きにはなってもらえない。
きっと幼馴染だからこうしていられるだけなのかなと思うと怖くて踏み出せない。

美「A最高！白岩くんやるね！」

クラスのテントに戻ると興奮気味の美彩がわたしを抱きしめながらそう言った。その美彩の言葉に口元を緩める瑠姫を見てしまって何とも言えない気持ちになった。

着替えてきて戻ってくるとその後すぐに競技で呼ばれてしまったのか、美彩はテントにはいなかった。
さらに河野くんや瑠姫もリレーの打ち合わせか何かでいなくなってしまったらしい。
一人で椅子に座ってぼーっとしているとトントンと肩を叩かれた。

奨「Aちゃん」

『與那城先輩！どうしたんですか？』

奨「係の仕事向かおうと思ったら姿が見えたからね。なんか元気ない？」

『先輩はエスパーなんですか？』

奨「えーどうだろう。…あ、そういえばさっきの仮装リレー良かったね。一位おめでとう」

似合ってたよ、と優しく微笑む與那城先輩が仏に見えてきた。

『ありがとうございます』

奨「せっかく一位だったのに元気ないのは恋のお悩みかな？」

『……もうエスパー認定しときます』

奨「あはは。この前のAちゃん見てたら何となくね。まあ蓮はそもそも何も気付いてなさそうだけど」

そんなに分かりやすいんだろうか。
それならもしかして本人にも伝わっているんだろうか、と思っていたら速攻で答えが返ってきて目を丸くした。

奨「蓮か彼か、自分の気持ちに素直になって最後のリレー応援しなね」

そう言ってわたしの頭をぽんぽんと撫でて係の仕事へと向かった與那城先輩。
あの人はつい一年前に知り合ったとは思えないくらいわたしのことを理解している。もはや実の父親よりも。

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美「A？ちょっとわたしの活躍見てなかったでしょ！」

與那城先輩の言葉を考えていたらいつの間にか美彩が戻ってきていた。応援しようと思っていたのにどうやら終わってしまったらしい。

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