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翔「見てくださってたんですね！嬉しいです』
わたしの記憶は間違ってなかったようで翔也くんはぱあ、と顔を綻ばせた。確か見学に行った時にギャラリーの中でギャップが良いと声が上がっていた気がする。
祥生は言わずもがな可愛い系だし、うちの学校多種多様なイケメンが揃ってるな、と頭の片隅で考えながら日焼け止めを塗りたくる。
祥「Aちゃん、ここちゃんと伸ばせてないで」
何してるん、と笑いながら祥生がわたしの頬に手を伸ばした。そのまま頬に触れると思った手は何故か離れていった。
『あれ？瑠姫？』
祥生が伸ばしてくれると思っていた日焼け止めは瑠姫の手によって綺麗に伸ばされた。わたしはと言うと、頭が追いつかず何となくぼんやりと綺麗な手だなあ、と思いながらその手の行方を追っていた。
彼は祥生とわたしの間に立ち祥生を見つめていた。
祥「えー、王子先輩そんな怖い顔せんといてくださいよ」
「してないし。祥生、向こうで汐恩たちが呼んでたぞ」
翔「あ、そうだった！祥生早く行こう！」
祥「まだええやん」
翔也くんはのんびりとしている祥生の腕を掴んでこちらに向かって手を振っているお友達の元へ走って戻っていった。
何となく気まずい空気が流れる。
美「えーっと、わたしたちも戻ろうか」
『そ、そうだね』
そう言いながらクラスのテントへ戻る。
瑠姫は静かに後ろをついてきた。
テントに戻るとクラスの女子が目をキラキラさせてこちらを振り返った。
橋「ねえねえ仮装リレーの衣装見てみて！」
『……………まじで？』
クラスメイトの橋本さんからドーンと出された衣装はいかにもなフリフリのお嬢様ドレスと燕尾服。彼女は裁縫が得意らしく手作りしてくれたらしい。そういえば前にサイズ計測とかしてくれてたな、と思い出す。
純「瑠姫、執事なん？いいやん！絶対似合うやん！」
「純喜、声でけえよ」
純「高城さんも絶対似合うで！か「純喜」………あ、ごめんって」
先にテントで待機していた河野くんは衣装を見てテンション上がりすぎたのか瑠姫に怒られていた。
美「A可愛いから似合うよ！ライバル増えそうだね」
「仲道、余計なこと言うな」
『ライバル？何の？』
「いいから」
美彩が瑠姫に目配せしていて、瑠姫は嫌そうな顔をしていた。何だか二人にしかわからないような雰囲気でちくりと胸が痛んだ。
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作者名：あい | 作成日時：2023年11月13日 20時
