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絶賛体育祭の練習中。
何故か当日の衣装は全く教えてもらえないままだ。衣装が分からないと本番を想定した練習ができなくて少し不便な気もする。
「軽く練習するか」
『う、うん』
当然二人三脚で練習するわけだけども、二人三脚の状態ってこんな近いんだっけ？
がっつりくっついてるし、肩組まれてるし、急に意識してしまってガチガチに固まる。
「ちょっと力入れすぎじゃない？」
『いや、思ったより…』
「ん？なに？」
近付けられた綺麗な顔にびっくりして、仰け反るとそのまま後ろに倒れそうになった。
「あっぶねー…」
『ご、ごめんっ』
勢いで後ろに倒れてしまいそうだったけど瑠姫がぐっと腕を掴み上げてくれた。起き上がる時に少しバランスを崩して瑠姫の胸に抱き締められる形になった。
「気をつけろよ」
『うん』
ドキドキが止まらない。
瑠姫はなんてことない顔をして、再開するぞ、ともう一度体制を戻した。意識してしまっているのはわたしだけなんだろうな。
「せーの」
1、2、1、2…と声を掛けながら練習を続けた。
あれだけ嫌がっていた瑠姫もなんだかんだでちゃんと練習しているところを見るとやっぱり根は真面目なんだなと思った。
「まあ今日はこの辺にしとくか。俺リレーの練習もあるし」
『そうだね』
しゃがんで紐を解いていると「Aちゃん？」と名前を呼ばれた。
蓮「あ、やっぱり。Aちゃん、練習中？」
『川尻先輩！』
蓮「二人三脚？…ってことは仮装リレー出るんやね。何の仮装すると？」
『まだ教えてもらってないんです』
蓮「そっか、じゃあ楽しみにしとくけん」
そう言ってひらひらと手を振りながらクラスメイトの元へ戻る先輩。
『先輩もリレー頑張ってくださいねー！』
先輩に向かってぶんぶん手を振りながら伝えると何故かツボに入ったらしく体を仰け反らせていつもの笑顔を見せていた。
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作者名：あい | 作成日時：2023年11月13日 20時
